美姉妹（しまい）といっしょ♪～新婚編



















　

　
　・『サブタイトル』　をクリックすると、そのページへ移動します♪ 　　（Last Up： 2016年 3月 18日）

　・『美姉妹（しまい）といっしょ♪～新婚編　表紙』
　・『登場人物紹介 ・ あらすじ』
　　
　・『プロロ～グ』
　
　・『プレリュード（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』
　・『恋慕（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』

　・『アリア（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』
　・『恋情（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』

　・『アンサンブル（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　　
　・『恋風（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』
　
　・『コンチェルト～美優樹（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』
　・『コンチェルト～夏穂（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』
　・『コンチェルト～飛鳥（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』　『（７）』

　・『恋衣～晶』 → 『～千恵』 → 『～若菜』 → 『～真奈美』 → 『～夏穂』 →
　　　　→ 『～多恵子』 → 『～飛鳥』 → 『～優』 → 『～美優樹』 → 『～ほのか』

　・『デュエット（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』
　・『いんたぁみっしょん～姉女房（前編）』　『～姉女房（後編）』
　・『恋心（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』

　・『カルテット（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』
　・『恋模様（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』

　・『ノクターン（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』
　・『恋路（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』

　・『ラプソディー（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』
　・『恋歌（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』

　・『バルティータ（１）』　『（２）』　『(３)』　『（４）』
　・『恋妻（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』
　
　・『バラード（１）』　『（２）』 　『（３）』
　・『恋仲（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』

　・『メヌエット（１）』 『（２）』 『（３）』 『（４）』 『（５）』 『（６）』 『（７）』 『（８）』 『（９）』 『（１０）』 『（１１）』
　・『恋文（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　『（５）』　『（６）』　『（７）』

　・『ララバイ（１）』　『（２）』　『（３）』　『（４）』　 『（５）』　『（６）』　
　・『エピロ～グ』

　・『あとがき ～新婚編を終えて～』
　
　　　　　-----これにて『新婚編』は終了です。　読破ありがとうございます♪　m(_ _)m　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（※ 年齢は登場時のもの ・ 2008年 4月～ 2016年 3月 連載）

　飛鳥（あすか）　１１月２２日生
　　　１９歳・処女　　身長１８０cm　体重５３kg　B７４（A）　W５８　H８４
　　　宏の中学・高校の２年後輩で、同じ部活(陸上部）に入っていたスポーツウーマン。
　　　切れ長の二重の瞳、白い肌に栗色の長い髪をツインテールにしたスレンダーな美少女。
　　　宏を追って東京の女子大に進学し、妹と一緒に大学寮に入ったが……。
　　　明朗活発・積極的な性格に加えて、正義感と負けん気が人一倍強い。
　　　ミニスカートにオーバーニーソックススタイルがお気に入り。

　　　一人称は「私（わたし）」


　美優樹（みゆき）　１２月３日生
　　　１６歳・処女　　身長１８０cm　体重５３kg　Ｂ８０（B）　Ｗ５８　Ｈ８４
　　　飛鳥の妹。
　　　宏とは姉を通じて知り合った。
　　　３歳違いの姉とは胸の大きさ以外瓜二つで、宏以外、誰も見分けが付けられない。
　　　宏を追い、姉が通う東京の女子大に飛び級で入学した才女。
　　　姉とは逆に淑やかで大人しい大和撫子。
　　　ゴスロリ衣装がお気に入り。

　　　一人称は「美優樹」


　夏穂（かほ）　１月２３日生
　　　３１歳・処女　　身長１７０cm　体重５５kg　B８４（D）　W５９　H８８
　　　飛鳥・美優樹の叔母であり、高校教諭。
　　　宏の高校時代の恩師であり、晶や優、千恵と若菜の恩師でもある。
　　　蒼味掛かった黒髪をセミロングにし、さっぱりした性格の美女。
　　　いまだ宏が忘れられず、心密かに想い続けている。
　　　その為、他の男に肌を晒さない一途な心を持つ。
　　　休職中だが、宏のいる東京での復職を目論んでいる。

　　　一人称は「ウチ」


　多恵子（たえこ）　２月１４日生
　　　３７歳・未亡人　　身長１４８㎝　体重４５㎏　B８５（D）　W５７　H８９
　　　飛鳥と美優樹の母であり、夏穂の姉でもある。
　　　見た目は妹の夏穂より若々しく、ともすると飛鳥や美優樹の妹にも見えてしまう。
　　　しかし秘められた妖艶さはピカイチ。
　　　昔、とある切っ掛けで宏と知り合い、そして……。

　　　一人称は「わたくし」


　晶（あきら）　５月１５日生
　　　２５歳　　身長１７０cm　体重４８kg　B８５（D）　W５８　H８６
　　　宏の従姉にして、（自称）筆頭妻。
　　　長年の夢が叶い、宏の童貞を貰うと同時に処女を捧げた。
　　　腰まで届くロングヘアをソフトウェーブにし、目鼻立ちの整った美女。
　　　プライドの高い自信家でもある。
　　　初夜の時、宏の為に妹と一緒に剃毛した。
　　　外資系企業に勤める才色兼備のキャリアウーマン。

　　　一人称は「あたし」


　優（ゆう）　５月１５日生
　　　２５歳　　身長１６５cm　体重４５kg　B７７（C）　W５７　H８５
　　　晶の双子の妹（二卵性）であり、宏の妻。
　　　姉と一緒に宏に処女を捧げた。
　　　物静かな話し方が特徴で目元が涼しいショートヘアのスレンダー美人。
　　　普段は沈着冷静だが、宏が絡むと熱くなる一面も。
　　　人知れず晶を巧みにコントロールする手腕はピカイチ。
　　　的確な分析と判断で株の売買や外貨取引で生計を賄う、一家の経済・財務担当。

　　　一人称は「ボク」


　千恵（ちえ）　１２月２１日生
　　　２３歳　　身長１５０cm　体重４５kg　B８４（D）　W５８　H８３
　　　宏とは実家が隣同士の幼馴染であり、妻のひとり。
　　　晶や優と共に宏に処女を捧げた。
　　　腰まで届く紫掛かった黒髪を頭の高い位置で縛ったポニーテールがトレードマーク。
　　　手足がスラリと長く、やや吊り目がちな大きな瞳に鼻筋の通った小顔の八頭身美人。
　　　面倒見の好い姐御肌な性格。
　　　性に関して全くの初心なのに、処女喪失直前に宏に剃毛させた経験を持つ。
　　　家事をそつ無くこなし、一家の掃除・洗濯、生活備品類の補充を主に担当。

　　　一人称は「あたい」


　若菜（わかな）　１２月２１日生
　　　２３歳　　身長１７５cm　体重５０kg　B７８（C）　W６０　H８８
　　　千恵の双子の妹（二卵性）で、宏の妻。
　　　姉とは体格や性格がまるで正反対。
　　　姉と一緒に宏に処女を捧げた天然パイパンの持ち主。
　　　腰まで届く漆黒のストレートロングの髪と白い肌が自慢の大和撫子。
　　　コスプレを導入するなど、宏とのエッチ生活に対して超積極的。
　　　家事全般が得意で、一家の台所を預かる料理の達人でもある。
　　　みんなのムードメーカー的存在なのだが、何故か騒動（？）が付き纏う。
　　　語尾を伸ばす話し方が特徴的。

　　　一人称は「私（わたし）」


　ほのか　９月２０日生
　　　２５歳　　身長１７３cm　体重５３kg　B８３（C）　W５８　H８５
　　　宏が高校２年の時に知り合い、その後、晴れて妻となった。
　　　晶達が見守る中、無事に処女を捧げ、後日、宏に剃毛させた。
　　　金髪碧眼に透き通る白い肌、堀の深い美顔を持つ北欧生まれのハーフ美女。
　　　豪快な性格で、どこで覚えたのか男言葉を話す。
　　　晶にヘッドハンティングされた、ビジネスジェットを操る凄腕パイロット。

　　　一人称は「オレ」


　真奈美（まなみ）　８月８日生
　　　２４歳　　身長１６５ｃｍ　体重４８kg　B８６（D）　W６０　H８３
　　　当時高校２年の宏に助けられ、その後、宏との同居を機に妻となった。
　　　ほのかと同時に処女を捧げ、パイパンフェチの宏の為に嬉々として剃毛した。
　　　背中を隠す迄に真っ直ぐ伸びた長い黒髪の、ちょっと垂れ目がちな癒し系美女。
　　　宏と出逢うまで家事が全く出来無かったが、宏の為に全てを覚えた。
　　　今は若菜や千恵と共に家事に精を出している。

　　　一人称は「私（わたし）」


　宏（ひろし）　１０月１４日生
　　　２１歳・主人公（たぶん）。
　　　専門学校卒業後、田舎から押し掛けた晶姉妹と千恵姉妹の４人で同棲生活を始めた。
　　　引越した新居先でほのかと真奈美が加わり、６人と正式に結婚した。
　　　ガテン系バイトで生計の一端を担うが、実際は利息生活者。
　　　いつの間にか弄られキャラに変化し、不遇な扱いをされてしまう事もしばしば……。

　　　一人称は「俺（おれ）」



[ あらすじ ]

　　　宏と晶・優・ほのか・真奈美・千恵・若菜の六人は結婚式を終え、ハネムーンに出発した。
　　　その頃、女子大の大学寮に暮らす飛鳥と美優樹の姉妹に、とある問題が起こり……。

　　　七人の新婚家庭に新たなキャラが加わり、宏の（夜の♥）体力は持つのか！？
　　　ますます賑やかになるラブラブハ～レム生活の開演です♪
　
　　　

　
「――先輩、今頃何してんのかな……」

　薄いブルーのパジャマを纏った少女がベッドの中から時計を眺め、ポツリと呟く。
　灯りを落とした狭い個室には秒針が時を刻む音と窓を叩く雨の音が響き、少女の息遣いが夜の闇に溶けてゆく。
　上の階からは宴会し騒ぎ立てる声と部屋を出入りする幾つもの足音が、低くビートの効いた音楽に交じって響いて来る。

（……ったく、毎晩毎晩騒ぎやがってっ！　これが有名女子大の実態かと思うと情け無いわっ！）

　何度も沸き上がる喚声に少女は眉をしかめ、外界と遮断する様に布団を頭まで被る。
　自分だけの空間を作った少女は表情を和らげ、手にした写真にそっと語り掛けた。

「私、――先輩と同じ土地にいるんだよ？　なのに……」

　少女の小さな手には陸上競技のユニフォーム姿の少年がカメラに向かって微笑んでいる写真が一枚、大事そうに握られている。
　手の平サイズの写真は所々に小さな皺が走り、常に人の手の中にあった事を示していた。

「無理言って東京の大学を選んだのに、全然逢えないや……。やっぱり、こんな大学寮（ところ）で大人しく待っているだけじゃダメみたいだ……」

　ほぅ、と熱い想いと悔しさの混じった溜息が布団に染みてゆく。

「でも、恥ずかしくて私から逢いになんて行けないよ……」

　ほんのりと頬を紅く染めた少女は、少年の顔に指をゆっくりと這わせながら語り掛ける。
　そして写真の中の少年と目が合った瞬間、身体が条件反射を起こす。
　鼓動が早くなり、胸が温かく締め付けられると同時に顔が熱くなる。
　お腹の奥が火照り始め、ショーツに包まれた女の部分に向けてトロリと熱い塊が流れ落ちて来る。

「……逢いたいな。逢って、今度こそハッキリと伝えたいな」

　太腿を無意識に擦り合わせつつ布団の中で寝返りを打つと、ツインテールにした自慢の長い茶髪がリボンの様に波打ち、白いシーツに柔らかく拡がる。
　少女は潤んだ瞳で写真を間近に見つめ、そっと囁いた。

「――先輩、す……」

　少女の唇が写真に触れる寸前、いきなり部屋のドアが大きな音と共に開け放たれた。
　廊下の明かりが少女のいるベッドを鈍く照らし、ドアから一人の女がゆっくりと姿を現す。
　少女は咄嗟に写真を枕の下に隠し、侵入者から守る様にうつ伏せになって枕を抱きかかえる。
　それと同時に、酒とタバコの臭いを全身に纏わり付かせた女が呂律も怪しく、少女の布団を容赦無く捲り上げた。

「お～～～いっ！！　な～に、こんな時間から寝てんだよぉ。さっさと起きて相手しなっ」

（チッ、またかよっ！！　ったく、こいつら性懲りもなくっ！！）

　無残にも甘い雰囲気を壊された少女は舌打ちすると忌々しげに毒吐き、見るからに不機嫌な顔になって乱入した女を睨む。
　相手は一級上の二年生だが、こんな程度で少女は屈しない。
　入寮早々、酔っ払った最上級生相手に啖呵を切った事もあるのだ。
　眉を吊り上げ、元来の気の強さで目の前の女を眼光鋭く威圧する。

「いったい何なんですかっ！　ノックもしないで、こんな時間にっ！！」

「こっ、こんな時間……って、日付が変わるまで、まだ一時間はあるだろっ。おっ、お前こそ、こんな早くに何寝てんだよっ。下級生は上級生の晩酌に付き合うのが、この寮の掟だろっ！　ほらっ、さっさと起きて俺等の部屋に来るんだよっ！」

　少女の怒りの篭もった視線と迫力に怯んだ上級生は視線を逸らし、言葉を吐き捨てると赤ら顔のまま足取りも怪しく部屋を出て行く。

（馬鹿共がっ！　誰が行くかっ！！　二度と来んなっ！！）

　少女は怒りで震える身体を両腕で強く抱き締め、女が出て行ったドアを睨み続けた。
　と――。

（――っ！？）

　自分と同じ状況に陥り、どうする事も出来ずに涙を浮かべた妹の顔が頭を過（よ）ぎった瞬間、少女は居ても立ってもいられなくなった。
　素早くジャージに着替え、同じフロアにある妹の部屋を目指して狭い廊下に飛び出す。
　長い髪を真横になびかせ、乱雑で薄汚れた廊下を全力で駆け抜ける。

（待っててっ！　今、助けに行くからねっ！！）

　心の声に呼応するかの様に、前方の目指すドアから少女と同じく線が細くて背の高い女の子がパジャマ姿のまま、先程の酔った女に片手を掴まれ、引き摺られる様にして出て来た。
　駆け寄る足音に気付いた女の子は、反射的に片手を伸ばして叫んだ。

「お姉ちゃんっ！！」

　少女が近寄る程に妹の瞳には薄っすらと涙が浮かび、自慢のツインテールが所々ほつれているのが判った。
　少女の目には、妹が手荒な扱いをされた証しにしか見えなかった。
　怒りで沸騰した血液が瞬時に全身を駆け巡り、妹を呼ぶ絶叫が薄暗い廊下に木霊した。

「――っ！！」


　――梅雨末期の土砂降りの雨が窓を激しく叩く、とある夜の出来事だった。


　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）



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