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 ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋
     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


アンサンブル(3) アンサンブル(3) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「う゛~~~~~む゛」

「「「「「「………………………………」」」」」」

 宏の余りにも深刻な表情に妻達は互いに顔を見合わせ、困惑の表情を浮かべる。
 普段の宏なら少し考えただけで適切な判断を下すのに、こんなにも迷う宏は初めてだ。
 だからと言って、主(あるじ)が決めかねているのに自分達がしゃしゃり出て勝手に話を進める訳にもいかない。

「「「「……………………」」」」

 片や、下宿を願い出た夏穂達も審判の下る瞬間を今か今かと固唾を呑んで待っているのだが、宏からの返事が一向に貰えない。
 可否を待つ不安の色が次第に戸惑いの色へと変わってゆく。
 そんな誰もが沈黙のラビリンスに迷い込んだと思ったその時、夏穂の張りのある声が静寂を破った。

「宏クン、もういいわ。無茶を言ってごめんなさい。部屋を探す努力もせずに最初(はな)っから人を頼ったウチらが悪かったわ。住む場所はウチらで探すから、宏クン達は気にしないでね♪ ……あ、今日の話は忘れて好いからさ」

 片手をパタパタ振って無理矢理笑みを浮かべる夏穂だが、ほんの僅か、哀しさが瞳に現れてしまう。
 自分の至らなさで年下の彼(夏穂の中では既に恋人同士になっている)を苦悩させてしまい、これ以上見ていられなくなったのだ。
 同時に、夢見た同居生活が御破算となって心が挫け掛けたものの、大人の意地で何とか持ち堪える。

「あのっ! 無理を言ってすみませんでした。この話は無かった事にして下さい。私達は大丈夫ですから」

 直接の当事者である美優樹も居住まいを正し、深々と頭を下げる。
 自分達の問題を人様に丸投げし、果ては好きな人を困らせている、悩ませてしまったと言う罪悪感でいたたまれなくなったのだ。

「「本当に、お騒がせして申し訳ありませんでした」」

 二人は再度、三つ指着いて額を畳に着けた。

(……宏先輩)

 事件に係わって退寮させられた本人である飛鳥も、宏の悶絶する表情に胸が強く締め付けられる。

(先輩の都合も考えずに同居出来る……なんて浮かれてた私達が浅はかだったんだね)

 少し(本心は滅茶苦茶)残念な結果になったが、仕方が無い。
 家長である宏が許可出来無いと言う事は、下宿させられない理由があるのだ。
 自分達はその理由を聞かずに潔く諦める事が、ここでの美学だろう。

(第一、これ以上駄々を捏ねて先輩から面倒臭い女だと思われたり嫌われたりしたら……)

 最も考えたくないシチュエーションに、思わず身体を震わせる飛鳥。
 せっかく再会出来たのに、印象を悪くしたままこの家から帰るマネは間違ってもしたくない。

(宏先輩……無理言ってごめんなさい。先輩を当てにした私達が愚かでした)

 飛鳥は己の不甲斐なさに唇を噛み締め、夏穂達と一緒に頭を下げて心の中で何度も何度も謝る。
 多恵子も黙って頭を下げ、妹や娘達の起こした騒動に詫びを入れたのだった。


     ☆     ☆     ☆


 恩師である夏穂と後輩の飛鳥と美優樹、そしてその母親から向けられた最大限の謝意に、見るに見かねた妻達が一斉に腰を浮かせた。

「お、おい、宏っ。部屋なら二人で一部屋にすればなんとかなるだろ? 下宿させてやろうぜ? 全く知らない相手じゃないんだし」

 夫の恩師は自分の恩師、夫の後輩は自分の後輩だと言わんばかりに、仁義に熱いほのかが真っ先に下宿案推進の先陣を切る。
 また、大家族に憧れる真奈美も首を大きく縦に振って続く。

「そうですよっ! 私はどこにでも寝られるから、ね、宏君。皆さんを助けてあげましょうよ。土地勘も無い人がアパート探しするのはすっごく大変よ? しかもうら若き女性が三人もいるんだし、力になってあげてっ」

 真奈美は自分が上京し、宏の家を探し歩いた時の不安と心細さを思い起こしていた。
 だから余計に年端も行かない飛鳥や美優樹に同じ思いをさせたくないと、切に願ったのだ。

「ヒロ? 何を悩んでいるの? あたしはどうせ仕事で昼間いないんだし、優と一緒の部屋で構わないわよ?」

「……ヒロクン、ボク達は平気♪ どうしても個室が必要、って訳じゃ無い。昼間はリビングで株価のチェックしながら留守番してるだけだし」

 意外な事に、晶と優もほのかと真奈美の背中を押す。
 恩師や後輩の困り切った状況を知った以上、さすがに見て見ぬ振りが出来無くなったのだ。

「昔からヒロに『何かと』目を掛けてる夏穂先生だけど……この際、目を瞑るわ。それに、可愛い後輩から頼られて無下にする訳にもいかないしね♪」

 夏穂の宏に対する好意を暗に牽制しつつ、晶は最悪でも会社の社宅を特別に提供しようかしら、とも思い始めていた。
 しかし約一名、下宿案に難色を示す者が手を挙げた。

「あの~、水を差すようで悪いんだけど、二人で一部屋……って、少々無理があるんじゃないかしら? 誰だってひとりになりたい時があるだろうし、プライバシーの確保出来る空間が必要だと思うの。飛鳥ちゃんと美優樹ちゃんは学生だから静かに勉強出来る部屋がそれぞれに必要だし、晶さんやほのかさん、夏穂先生も社会人として気兼ねなく過ごせる部屋が絶対要ると思うの」

 頬に人差し指を当て、移り住んだ屋敷の構造を思い出しながら首を小さく傾げる千恵。
 長いポニーテールを揺らしつつ、各人の生活リズムも視野に考える。

「主婦組はともかく、学生組と社会人組は生活時間帯が少し違うでしょ? 殊に社会人組は早出や残業、代休とか休日出勤とかで時間や出勤日がバラケたりするし。だからお互いの為にも、各自の部屋は必要だと思うの。今のままだと……えっと……」

 千恵は天井を見上げつつ指折り数えだし、人数に対する部屋数を割り出す。

「屋敷には七部屋あって……宏はそのままとして、あたいと若菜、優さんと真奈美さんを一部屋ずつにしたって……最低でも八部屋必要だから、一部屋足りない勘定になるわ」

 千恵の話し方は真っ向から下宿に反対するものではなく、同居した場合の問題点を明らかにする話し方だ。
 どうしたら下宿に支障が無いかを探る口調で、決して夏穂達を拒否するような口調では無い。
 宏は面倒見の好さを発揮した千恵の気遣いに感謝するものの、自分達の生活環境を維持管理する担当者としての至極ごもっともな意見に、心の中で泣き声を上げる。

(だから~、人数分の部屋は用意出来るから大丈夫なんだってば~。……来月下旬に工事が終われば……だけど。でも言えない~っ!)

 夏穂達を助けるにはサプライズプラン――屋敷を土地ごと買い取り、増改築した姿を披露して妻達を驚かせる計画――をバラさないといけないし、サプライズを優先させると夏穂達が路頭に迷う。
 ひとり悶絶する宏を余所に、若菜が消極的な(そう見えた)姉を押し退けて前に出た。
 宏の手を取り、左右に揺さぶって甘えた声を出す。

「宏ちゃん~、私は誰と同じ部屋になっても大丈夫だよ~。だから飛鳥ちゃん達を下宿させてあげようよ~。大勢で楽しく暮らそうよ~」

 恋愛に関して天才的な直感を働かせる若菜が夏穂や飛鳥姉妹の瞳の色を読み取り、家長である宏に提言する。
 ただ、人様の想いをこの場で軽々しく口にしない分、自分の意見に色を付けた。

「それに~、どうせ夜は宏ちゃんのお部屋でみんな抱き合ったまま寝るんだから~、それぞれにお部屋があっても無くても同じだよ~♥ ……何だったら、夏穂先生や飛鳥ちゃん達も混じる~?」

 意味深、且つエロモード全開な台詞――しかも艶っぽく妖艶な声に、夏穂、飛鳥、美優樹、そして多恵子の顔が一瞬で赤くなる。
 今の今迄、宏達は新婚さんである、と言う部分を綺麗サッパリ忘れていたのだ。
 当然、夜の夫婦生活が伴う事も思い出してしまう。

「「「「………………」」」」

 顔を互いに見合わせ、目の前に居並ぶ人達の性生活を思い浮かべてしまう処女三人と男の肌が久しい未亡人がひとり。
 四人は全裸の宏が六人の美女へ次々に覆い被さってゆくシーンを生々しく想像してしまい、思わず腿をきつく閉じてしまう。
 と、下ネタ満載な能天気娘の頭上に、目を三角にした千恵の怒号と踵落しが炸裂した。

「こっ、このおバカっ! 未成年が二人もいるっつーのに、ナニほざいてるかなっ!? この娘(こ)はっ!」

「きゃいんっ! だっ、だって~、ホントのコトじゃない~」

「だからって、今、ソレをココで言うかぁっ!? ちっとは状況を考えろっ!」

「「「……………………」」」

 涙目で頭を抱える若菜と般若顔の千恵を、唖然として見つめる飛鳥、美優樹、多恵子の三人。
 初めて見る姉妹漫才(てっきり喧嘩だと思った)の激しさに目を丸くし、声も出ない。
 一方、元・担任教師は数年振りに見るド突き漫才に懐かしさを覚える。

(ふふっ。二人とも、相変わらずね~。高校時代も毎日、こうして若菜ちゃんのボケに千恵ちゃんがツッ込んでたっけ)

 状況を忘れ、思わず顔が綻んでしまう夏穂だった。

「まったくもうっ……!」

 千恵は妹の「どうせ夜は……」の台詞に、それもそうか♥ とノリ掛かるものの、おくびにも出さない。
 出したが最後、全員から、からかいの餌食となってしまうのが目に見えている。
 なので、内心を隠す為に足裏で妹の頭を必要以上にグリグリと押さえ付けてしまう。
 だが、宏の表情をずっと見ていてふと、頭の中で閃くものがあった。

「待てよ? ……宏、もしかして……まだあたい達に何か隠し事、してるんじゃない? だからいつもは即断即決するのにしないんでしょ。断る理由を考えているんじゃなくて、即断出来無い理由があるんでしょ!」

 妹の頭に(ミニスカートなのに)足を載せたまま、ずびしっ! と指差す鼻息荒い千恵に、宏の身体がギクリと強張る。

(げっ!! あ、相変わらず鋭いな~、千恵姉は。こっちが何もしないうちに気付くなんて、まるで哨戒機だな。さすが幼馴染、伊達に長い付き合いしてる訳じゃないわ。さてさて……ホント、どうしよう)

 丸見えとなった千恵の紫色のショーツと深く刻まれた縦筋を横目で見つつ、宏はポーカーフェイスを装って考え込む。

(サプライズと夏穂先生達、どちらを優先させるか――か。……俺にとってはどちらも大切なんだよなぁ)

 それでも、視線はついつい千恵のムッチリとした白い太腿と柔らかそうな割れ目に吸い寄せられてしまう。

(千恵姉のアソコって、肉付きが好くて、柔らかくってプニプニしてて美味しい……じゃなくってっ! ええと……)

 いつになく悩める(半分は煩悩だ)従弟に、今迄黙って見ていた優が事態を打開しようと助け船を出した。
 その瞳は澄み切った優しさを湛え、悩める夫を責め(攻め?)ようとしているものでは無いと、誰の目からも判るのだが……。

「……ヒロクン。下宿そのものは賛成なの? 反対なの? 色んな制約を無視して、まずはそこから聞かせて?」

 それでも本質を突く質問に、宏は内心、冷や汗を流す。
 日常的に為替取引や株の売買をするだけあって、冷静で的確な指摘をする従姉に宏のサプライズプランが徐々に怪しくなって来た。
 これでは助け船どころか、撃沈させる為に出撃した巡洋艦に近い。
 だからと言って、練りに練り上げた会心のプランをこのまま素直にバラしたくはない。
 宏は無い知恵を絞り、どうすればこの場を凌げるか、従姉の頭脳と対峙する。
 しかし。

「うん、下宿するのは構わないんだ。ただ、時期が……っ!!」

 元より夏穂達の下宿に反対する意志の無い宏は、優の示した単純で簡単な二者択一につい気が緩み、余計な事まで口走ってしまう。
 これでは対峙以前に、自ら墓穴を掘ったようなものだ。
 慌てて言い淀む宏に、下宿推進派の急先鋒に立つほのかが切れ長の瞳を光らせ、ここぞとばかりに鋭く切り込んで来た。
 その勢いたるや、まるで戦闘攻撃機だ(ほのかの職業がパイロットなだけに)。

「時期? 時期って何だ? 休暇を終えたオレ達が上京するタイミングの事か? それとも彼女達の引っ越しのタイミングの事か?」

 さすが職業柄、物の見事に問題点の核心を突いて来る。

「あ~~~~、それは、そのぉ~~~~……」

 金髪碧眼美女からの真っ当な指摘に、本当の事が言えない宏。
 海から攻められ、制空権も奪われた宏はいよいよもって不利な状況に陥ってゆく。
 これではまるで、ひとりで小さな孤島に立て籠もる二等歩兵そのものだ。
 オマケに、抵抗する武器や兵力を持ち合わせていないと来てる。

(だからー、今は工事中だからタイミングもへったくれも無いんだよぉー)

 必死になって取り繕っていたポーカーフェイスはどこへやら、ほとんど泣き顔の宏。
 と、従弟の泣き顔にひとり萌えていた晶が使命感に燃え(目覚め)、キャリアウーマンとしての本領を発揮する。
 なにせ、会社のトップ会議ではチェアマン――議長をも務める力量を持っているのだ。
 議論の膠着状態を打開する手立てなぞ、会長秘書や秘書課課長のスキルとして当然持ち合わせている。
 晶は妻としての顔から凛とした管理職のそれへと変化する。

「まぁ、まぁ、ここは原点に立ち返って問題点をひとつずつ、最初から整理しましょ」

 正座したまま身体の向きを九十度変え、テーブルを中心に左右に宏と夏穂達を見る位置に着く。
 丁度、会議に於ける議長席の位置だ。

「まずはヒロ。色々な条件や制約などはこの際無視して、下宿そのものについては賛成、反対のどっち?」

 凛とした口調で夫(部下?)を捉え、浮き彫りになった問題から突いてゆく。

「もちろん賛成だよ。放っておけないもん」

「それじゃ、下宿する事になるとして、夏穂先生達が引っ越す時期が問題なのね?」

 ここまではバレてしまったので、黙って頷く宏。

「それは今週や来週ではダメ、って事?」

 真っ直ぐな、そして鋭い視線で探りを入れる晶に対し、少し迷って再び頷く宏。
 視線の圧力に、サプライズを諦めた方が楽になれるかも……などと思ってしまう。

「となると、今月……九月中は引っ越し出来無い、と?」

 時期を絞る晶の問いに、一瞬の間を空けて三度(みたび)頷く宏。
 なんだか追い詰められている感じがするが……気のせいだろうか。

「なら、今月中に引っ越し出来無い理由は?」

 今度はすぐに首を横に振る宏。
 これこそがサプライズそのものなので言う訳にはいかない。

「理由は言えない、って事ね?」

 すぐに深々と頷く宏。
 だからこそ、こんなにも悩み、返事をしかねているのだ。

「それじゃ、十月前半の引っ越しは?」

「それもチョッと……」

 宏は心の中で「増改築工事が終わればいつでも大丈夫」と続ける。
 みんなの驚く顔や喜ぶ顔が見たいが為に、最後の最後を隠し通しているのだ。
 今度こそ失言する訳にはいかない。

「そう。……それじゃ、十一月以降の引っ越しは?」

「それは大丈夫」

 間髪入れずに応える宏。
 いくらなんでも、それまでには工事は終わってるから、と心の中で呟く。

「なら、十月後半の、いつからなら好いの?」

「えっ!? ……あっ!」

 これ以上無い、超精密ピンポイント攻撃にたじろぐ宏。
 同時に、いつの間にか答えを引き出されていた事に初めて気付く。
 それ程、議長・晶の進行振り(誘導尋問?)が巧みだったのだ。

(晶姉にしてやられた~~~~っ。……ま、相手が相手なだけに仕方無い、か)

 ここまで時期が絞り込まれてしまった以上、もう隠し通せなくなった。
 肩を落とした宏は観念し、同居可能時期のみを明らかにする。

「あ~、十月の最終週……なら」

「ふむ……。あたし達の寿休暇が終わる頃ね。確認するわよ? 十月の四週目になれば、夏穂先生達の下宿が可能になるのね?」

 公平な議長である筈の晶だが会心の笑みを浮かべ、最後の言葉は声が弾んでいる。
 その顔は物の見事に仕事を成功させた満足感に満ちていた。
 どうやら、宏の懐を突く為に議長役を買って出たらしい。
 これではまるで強襲揚陸艦だ。

(……何だかいつの間に陥落寸前、って感じになっちゃったなぁ)

 千恵(哨戒機)に始まり、優(巡洋艦)、ほのか(戦闘攻撃機)と立て続けに攻撃され、遂には晶(揚陸艦)による孤島への上陸を許した宏二等兵。
 戦力の差は如何ともしがたく、宏は諦めたかのように両手を挙げた。
 しかし、まだ本陣――サプライズプラン――は落ちて(バレて)いない。

「うん。十月の四週目以降になれば、いつでも下宿出来るよ」

 前線を大きく後退させた夫の言葉に、固唾を呑んで見守っていた妻達は歓喜の声を上げた。


                                            (つづく)

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「十月の四週目以降なら下宿出来るよ」

 宏からの解答(自白?)を引き出す事に成功した議長・晶は満面の笑みを浮かべた。
 時期的な制約が付いたものの、夏穂から出された下宿案は無事、可決されのだ。
 大任を果たした晶は嬉しそうに両手を胸の前でパチンと打ち鳴らし、高らかに宣言する。

「と言う事で、あたし達のハネム~ン終了に合わせて夏穂先生達三人の下宿が可能となりましたぁ~♪」

 それを合図に夏穂達を支持していた妻達は一斉に歓声を上げ、互いにハイタッチを交わして全身で喜びを表す。
 一方、宏と晶の一問一答(取り調べ?)を、固唾を呑んで見守っていた夏穂、飛鳥、美優樹の三人はみんなの弾んだ声に瞳をしばたたかせて我に返った。


「「「………………え? 下宿……出来る? …………ホントにっ!?」」」

 思いのほか渋る宏の姿を胸が痛む想いで見ていただけに、諦め掛けていた想いが一瞬で払拭される。
 暗く沈んでいた気持ちが急浮上し、好意を寄せる相手と一緒に同じ場所で同じ時を過ごせる嬉しさが見る間に全身を駆け巡るのが自分でも判った。
 ダメもとで願い出たら、最後の最後で願いが叶ったのだ。

「「「ぃやったぁ――――――っ!!」」」

 思わずガッツポーズをかまし、好きな男性(ひと)の目の前だと言う事も忘れて歓喜の雄叫びを上げる、恋する乙女達。
 顔色も昂奮の為か、それまでの土気色に替わって鮮やかな桜色に染まっている。
 そんな三人の喜びようは傍から見ていても劇的なものだった。

「よかったね~、夏穂先生、飛鳥ちゃん、美優樹ちゃん!」

「いやはや、一時はどうなる事かと思ったぜ。ま、これでひと安心だな♪」

 ニコニコ顔の若菜とウィンクしながらサムズアップするほのかに、夏穂は弾ける笑顔で大きく頷くと居並ぶ面々にも声を掛けた。

「みんなのお陰よ。本当にありがとう!」

 その晴れやかな表情は、さっきまでの陰鬱とした表情と比べるとまるで別人のようだ。
 それだけ宏との同居を望んでいた証拠だと、誰の目から見ても判った。

「皆様、誠にありがとうございます。受けた御恩は一生涯、忘れませんっ」

「あの……、ありがとうございます。その……とても嬉しいです」

 続いて美優樹が慇懃に頭を下げ、飛鳥もたどたどしくはあるが、きちんと礼を述べる。
 飛鳥は嬉しさと未だに信じられない気持ちがごっちゃになり、言葉が出て来無いのだ。
 一方、ゴスロリ衣装の美優樹が必要以上に畏まるとコスプレの域を脱して高貴なお姫様に見えるから不思議だ。
 頭に載せた半円状のヘッドドレスが王女のティアラにも見えて来る。

「あ……あはは。いいのよ、そんな畏まらなくても。飛鳥ちゃんも、もっと気を楽にして好いからさ♪」

「ホント、あたしのお陰よ。皆の者、感謝なさい。……な~んてね♪」

 後輩からの感謝に千恵は頬を掻きながら照れ臭そうに笑い、晶も笑顔のまま早くもお局様としての威厳を見せ付けようと胸を張る。

「!! くっ……」

 この時、晶の柔らかそうに揺れるDカップ(八十五センチだ♪)の胸を、飛鳥が敵を見るかのような表情に一瞬なった事に誰も気付かなかった。
 胸の薄い(七十四センチのAカップだ)飛鳥は自分より大きな胸を敵視しているのだ。
 もっとも、敵視しているのは胸の大きさそのものであって、決して女性(ひと)に対してでは無い。
 飛鳥の抱える、無い胸のコンプレックスが無意識の内に大きな(揺れる?)胸に過剰反応してしまうのだ。
 そんな飛鳥だが、立ち直り(開き直りとも言う)も早かった。
 既に胸の事は無視し、宏へ熱い視線を注いでいる。

「……二人とも、お姉ちゃんは気にしなくて好い。ただの虚勢だから」

「ふふ♪ 可愛い妹が出来たみたいで嬉しいわ~♪」

 飛鳥の葛藤も露知らず、姉の態度に苦笑した優はさりげなく後輩をフォローし、瞳を輝かせた真奈美と顔を見合わせて微笑み合う。
 そして新たに下宿人となった三人は、本日の立役者(?)である宏に身体ごと向き直った。

「宏クン♥」

「宏さんっ……♥」

「宏……先輩♪」

 瞳を潤ませ、感謝の眼差しで宏を見つめる恩師と後輩を横目に、晶はもう一度手を打ち鳴らして高らかに宣言した。

「それじゃ、共に暮らす事を祝して宴会よっ!」

「「「「「「「「お――――――――っ!!」」」」」」」」

 八人の美女は拳を振りかざし、一斉に勝ち鬨(?)を上げた。

(やれやれ。何はともあれ、サプライズそのものはバレずに済んで好かった好かった。……まぁ、首の皮一枚、繋がってる感じ……かな)

 小躍りしながら宴会の準備に取り掛かる女性陣を尻目に、ひとり安堵の息を吐く宏。
 そんな当主の下へ、終始大人しく畏まっていた多恵子がそっと近寄り、三つ指着いて深々と頭を下げた。

「宏さん。下宿を許して下さり、本当にありがとうございます。不束な妹と娘達ですが、どうか末永く可愛がってあげて下さいね♪」

 どこまでも澄み切った瞳と蠱惑的な表情、そして嫁に出すかのような台詞に宏の鼓動が早くなる。
 話す言葉は母親そのものだが、未亡人の肩書きに加えて見た目は愛らしいティーンエイジャーなので余計に萌心が掻き立てられるのだ。

「あ、いえ……はい、判りました! 俺……私が責任持って三人を幸せにしますっ」

 宏としては下宿先の責任者として夏穂達を預かります、と言ったつもりだったのだが、多恵子の醸し出す妖艶さに惑わされてつい、嫁に貰うかのような台詞を溢してしまう。

「ふふっ♪ 宜しく頼みますね♥ みんな好い娘ですから、きっと悦んで貰えると思いますわ♪」

 そんな宏の慌て振りが可笑しく、多恵子は眼を細めて微笑むのだった。


     ☆     ☆     ☆


 その日の夜遅く。
 盛りに盛り上がった宴会を終え、夏穂達四人を家まで送り届けた宏は風呂に浸かりながら昼間の出来事を思い出していた。

「いや~~~、それにしても際どかったなぁ~」

 顎先まで湯に浸かり、独りごちながら胸を撫で下ろす。

「もしも誰かが十月下旬まで下宿出来無い理由を問い質したら、苦心して練り上げたサプライズプランが全て御破算になる所だったもんなー」

 宏は借家である屋敷を土地ごと買い取り、増改築している事をみんなに伏せている。
 その工事が終わるのが十月の四週目なので、サプライズを成功させる為には何が何でもその事を隠し通さねばならなかった。

「あのまま晶姉の誘導尋問に引っ掛かって『部屋はあるから大丈夫』、な~んて言ってたら、改築してる事が速攻でバレ、ひいては屋敷を買い取った事もバレる所だったもんなー」

 取り敢えず、秘密を守り通した充実感に浸る宏。
 しかし、心の片隅で警鐘を鳴らす自分がいた。

「……でも、サプライズプランを完全に隠す為には、あと一押し、予防線を張っておく必要があるな」

 宏は万全を期すべく、頭の中で妻達との問答を想定した幾パターンものシミュレーションを繰り返す。
 その為、脱衣所で蠢く二つの影に全く気付けなかった。

「まぁ、みんな下宿開始が来月下旬になったのは、自分達の寿休暇が終わる時期と合わせている……と思ってるみたいだから、まずはそれを基本に押し出す事にするか」

 宏はみんなの思い込みを利用させて貰う事にし、それを中心に今後の筋書きを組み立てていた、その時。

「ヒロ? 思ってるみたい……って、何が?」

「宏、何をするんだって?」

 浴室の扉が開くと同時に、湯煙の向こうから一糸纏わぬ女性が現れた。
 前を隠さず、その美しい肢体を宏に堂々と見せ付けるかのように浴槽の前に立つ美女二人。
 ひとりは長い金髪をアップに纏め、白いうなじとほつれ毛が色っぽいほのか。
 彫りの深い美貌と長い手足で抜群のスタイルを誇る、北欧生まれのハーフ美女だ。
 もうひとりは、やはり長い黒髪をアップにし、Dカップの双丘を揺らす晶だ。
 張りのある肌と丸味を帯びた柔らかいラインのボディースタイルは、隣に立つ北欧美女にも引けを取らない美しさを誇る、純国産美女だ。

「ほのかさんっ!? 晶姉っ!! な゛っ、何でハダカなのっ!? あ゛ぅっ!」

 突如として現れた珍入者(?)に慌てた宏が訳の判らん事を口走り、湯船に座ったまま勢い好く後退る。
 しかし狭い浴槽が災いし、背後の壁に後頭部をしたたかに打ち付けてしまう。
 涙目で頭を抱える宏に、ほのかの豪快な笑い声が浴室に響く。

「あはははっ! なに言ってんだよ、宏。風呂入るのに、ハダカになるのは当たり前だろ?」

「ヒロ、さっきの宴会で酔ったの? それとも時差ボケがまだ解消してないのかしら?」

 シャワーで掛け湯をしつつ、二人は夫の本気(マジ)ボケに苦笑いする。

「ホラ、端っこ少し空けてくれよ。オレも入るんだから♥」

「ほのかさん? 急にどうしたの……って!」

 宏がほのかに視線を向けたその時、長身の金髪碧眼美女は丁度、浴槽を跨ぐ所だった。
 当然、長い足の付け根が大きく開かれ、綺麗に剃り上げた股間とシンメトリーな女の秘裂が目に跳び込んで来る。
 実家の湯船は床に半分掘り込んでいるタイプなので、湯に浸かる宏は足下から見上げる形になるのだ。
 真っ先に目を惹く大陰唇はゴムボールを二個合わせたかのように合わさって舟形の深い谷を刻み、秘裂から覗く慎ましやかな花弁はサーモンピンクに色付いて少しはみ出している。
 淫裂を少し辿った地点には包皮に覆われた紅真珠が花弁に包まれて膨らみ、芽吹く時を待っている桜の蕾のようにも見える。

「うぉっ!?」

 何度も見て味わっている筈なのに、思わず仰け反る宏にほのかが噛み付いた。

「おいおい、失礼なヤツだな~。妻の股間を見て逃げるこたぁないだろ?」

 言いつつ、片足を上げたまま股間をクィ、クィ、と突き出すほのか。
 煌めく碧眼を細めてニヤケている様は、明らかに面白がっている顔付きだ。

「こらこら。バカやってないで、もっと詰めてよ。あたしが入れないじゃない」

 宏がもうひとりの声に首を巡らすと、晶も浴槽を跨いでいる所だった。
 こちらも当然の如く、綺麗な無毛の股間と桜色の媚粘膜が宏の目と股間を直撃する。
 肉付きの好い柔らかな大陰唇と、その割れ目から僅かにはみ出た桜色の秘唇が織り成す媚裂は何とも妖しくうねり、僅かに飛び出た陰核包皮がアクセントとなって艶めかしい色気を放っている。

「……って、晶姉も入るのっ!? こんな狭いトコじゃ三人は無理……わぁっ!」

 宏が晶の股間に魅入っていると、ほのかが宏を背後から抱きかかえ、立てた両膝の間に収めてしまう。
 ほのかと宏が密着している間に、晶も宏の両足を脇に抱える形で腰を下ろす。
 丁度、M字開脚した美女の間に、足を浮かせた宏が挟まっている形だ。
 通常一人用の浴槽に三人もの大人が入れば、密着度も必然的に高くなる。

「ほらほら~、オレのオッパイが宏の背中で潰れてるぜ~♪ ムフっ、押し潰された乳首のコリコリ感が気持ち好いだろ~♪」

「あぁ……、ほのかさんっ」

 宏の逸物はほのかが抱き付いた瞬間から臨戦態勢になっていた。
 スーパーモデル顔負けの美女二人の割れ目を直視した上、首筋にはほのかの熱い吐息が掛かり、背中にはグミのような乳首と肉まんのような乳房が押し付けられ、そして腰には無毛の恥丘と張りのある太腿が密着しているのだ。
 更に目の前には、肌理の細かい肌が湯を弾き、お椀型に膨らむ晶の見事な美乳が湯の中で揺らめいてもいる。
 お湯の中で抱き合う女体の感触と実家の風呂場と言うシチュエーションに、宏の男根はこれ以上無い程、たぎっていたのだ。

「あんっ♥ こんな狭いトコではち切れんばかりにおっきくして……邪魔な棒ねっ♪」

 晶は股間をノックする反り返った男根を握り、前後左右に揺さぶりつつ面白そうに眺める。
 湯の上から見ると二十センチ近い肉棒が太さはそのままで数センチ程度に縮こまって見え、そのギャップが楽しいのだ。

「あぅっ……、ここじゃ狭過ぎるってば……はうっ!」

 言葉では拒む宏だが、亀頭裏と秘唇が擦れ合う度に腰を無意識に突き出してしまう。
 完全勃起した肉棒の裏筋が晶の柔らかい縦筋と重なり、素股状態となって強烈な性電気を発生させるのだ。

「宏って、着痩せするんだよなー。実際はこんなにも筋肉付いてるし♪」

 ほのかが背後から両手を胸元や腹筋に這わせ、耳や首筋をネッキングしてゆく。
 その間にも胸を揺すって硬く尖った乳首を背中に擦り付けてもいる。
 宏の首筋には熱くて荒い鼻息が掛かり、ほのかの昂奮の度合いが伺い知れてしまう。
 当然、その昂ぶりは光の速さで股間へと伝染する。

「あはっ♥ 宏の硬い如意棒がピクピク蠢いてるぜ~♥ ホラ、こ~んなに熱く、カチカチに張り詰めて……ヤケドしそうだぜ♥」

 目元を紅(あか)く染めたほのかは右手を下ろすと晶に替わって巨砲を掴み、小指と薬指で根本の硬さと太さを確かめ、親指で竿に浮き出た血管の凹凸や張り詰めた海綿体の弾力を楽しむ。
 そして伸ばした中指と人差し指でカリ首の段差を弾き、噴き出すカウパー腺液を亀頭に塗り込んでゆく。
 指の長いほのかだけが出来る愛撫だ。

「あぁっ! ほ、ほのかさんっ!」

 宏の快感にむせぶ鳴き声がほのかの指使いを活発化させ、正面に座る晶の萌心をも刺激する。

「ふふっ♪ ヒロったら、ここもパンパンに腫らしちゃって♥ 昨夜あんなに射精(だ)したのに、もうこんなに溜まってるの? 乳首も……こんなに勃たせて♪」

 右手を下ろした晶は睾丸二つを優しくマッサージするかのように指先で転がしてゆく。
 手のひらに伝わる心地好い重さと柔らかさが晶の性感を揺さ振り、鼓動が早く、鼻息も荒くなる。
 左手は小さく勃起している宏の右乳首を摘み、指先で捏ね回す。

「あひゃぁっ! ふ、二人同時になんて……っ!」

 竿と左乳首はほのかに、陰嚢と右乳首は晶に弄られた宏は次から次へと湧き上がる快感を制御出来無い。
 ただただ、柔らかくて暖かい美女の肉体に挟まれ、悶えるだけだ。

「ほれほれ~、こうして宏のペニスを上下に揺すると……晶のワレメが開いてくんだぜ~♪」

 右手に握った竿を押し下げ、亀頭を晶の秘裂に潜り込ませるほのか。
 そしてそのまま女の縦筋に沿って上下に動かしてゆく。

「あん、ヒロのオチンチンがあたしの大事なトコに触れてるぅ♪」

 ほのかに操られた勃起肉が媚粘膜を擦る度に、晶から艶っぽい声が上がる。
 心なしか、お湯以外に粘る液体を股間に感じ始めた晶だが、それが己の物か宏のガマン汁なのかは判らない。

「ふふっ。何だかヌルヌルしてるわね~♥ せっかくだから、このまま膣内(なか)に納めちゃおうかしら♪」

 目元を朱(あか)く染めた晶は自ら腰を上下に振り、すっかり開いた陰唇で亀頭を挟む。

「うぉおぅっ!」

「はぁんっ♥」

 亀頭の先端と膣口の凹みが合わさると宏が呻き、鈴口が紅真珠を咥えると晶が鳴き声を上げる。
 ほのかは二人の嬌声に気を好くし、淫裂に沿って竿を何度も上下させては亀頭でクリトリスを左右に弾く。
 そのもどかしい愛撫(?)に宏は躰を捩って悶えるが、前後から女体に挟まれて思うように身動き出来無い。

「くぅぅっ! あ、晶姉、ほのかさん! ここじゃ狭過ぎて無理だってっ! せめて浴槽(ここ)を出て……」

 亀頭を掠める焦れったさに、泣きの入る宏。
 このまま焦らされたら、頭がおかしくなりそうだ。

(あぁ……晶姉のオマンコに思いっ切り挿れて、柔襞の感触を味わいたい! 激しく抽挿して、晶姉の膣内(なか)でたっぷりと射精したいっ!)

 射精欲に駆られた宏は目の前の従姉を熱く見つめる。

「あぁ……晶姉っ!」

 静かな夜に、宏の涙声が吸い込まれてゆく。


                                            (つづく)

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