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     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


恋衣~多恵子 恋衣~多恵子 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
 屋敷の平日の朝は早い。
 社会人組や学生組が起き出す一時間以上前には、既に主婦組四人が台所に立って朝食の準備に取りかかっている。
 ここには女性中心とは言え十一人もの食べ盛りが暮らしているので食す量が半端無く多く、一般家庭よりも調理時間が倍近く掛かるのだ。
 しかも、朝食をお代わりする者や宏の昼食(ご飯大盛りの弁当だ)の分も加わるので、最低でも十五~六人前を作らないと間に合わない。
 焚き上げるご飯や仕込む味噌汁は軽く一升を超え、おかずも質を保ちつつ数を揃えないといけないので主婦組には朝のまどろみを楽しむ余裕など無いに等しかった。
 そんなランチタイムの食堂に匹敵する忙しさが毎朝繰り広げられる台所では、艶やかな黒髪をアップに纏めた背の低いエプロン姿の美女が今日も足取り軽く動き回っていた――。


     ☆     ☆     ☆


「若菜さん、お出汁(だし)の具合はこれで好いですか?」

 薄蒼色のエプロンを纏った多恵子がコンロの前で味噌汁を作りつつ、屋敷の料理長である若菜にお伺いを立てる。

「どれどれ~?」

 声を掛けられた若菜は三十分前に研いで水を吸わせておいた米を炊飯器にセットするとスイッチを入れ、その足で多恵子の隣に立つとすぐに破顔してVサインを掲げる。

「……うん、バッチリだよ~♪」

 今日の若菜は腰まで届く漆黒のストレートヘアをピンクのリボンで首の後ろでひとつに束ね、手編みのセーターとロングのフレアスカートの上に淡いピンク色のエプロンを纏った若妻スタイルだ。

「多恵子さん、すっかりと宏ちゃん好みの味を覚えたね~。明日からは私に味見させなくても大丈夫だよ~♪」

「いえいえ、まだまだ若菜さんや千恵さんには及びませんわ」

 身長差二十七センチの二人が顔を見合わせ、ニコリと笑い合う。
 大鍋の前に立つ多恵子はもうすぐ三十七歳を迎える屋敷最年長なのだが、額の広いティーンエイジな顔付きな上に身長百四十八センチと女性陣の中で一番背が低い。
 しかも、エプロンの下はトレーナーとスリムジーンズなので(家事をするのに一番動きやすい服装なのだそうだ)、長身の若菜と並んでいるとまるで中 学生が若い義理のお母さんの手伝いをしているかのようにしか見えない。
 片や。

「千恵ちゃん、今朝はスクランブルとオムレツ、どっちにする?」

「ん~~~、そうねぇ。昨日は目玉焼きだったから……今日はそれぞれ六人前ずつ作って大皿に盛ろうか。宏の弁当に詰める玉子焼きは、あたいが一緒に作っとくわ」

「それじゃ、私がスクランブルを作るわね」

「了解♪ あたいはその後にベーコンを焼くから、お皿をお願い」

「うん♪」

 十一人分の茶碗と箸、取り皿をテーブルに並べ終えた真奈美と千恵は冷蔵庫から卵(毎朝二十個以上は使う)を取り出し、多恵子と入れ替わりにコンロ前に立つと手分けしてフライパンを振り始める。
 真奈美は背中の半分まで届く黒髪を三つ編みにして先端を純白のリボンで纏めた薄クリーム色のワンピース姿、千恵は真っ赤なリボンで結んだロングポニーテールに、こちらは赤のトレーナーに穿き古したジーンズ姿で、二人共パステルカラーのエプロンを纏っている。
 キッチンにはバターの溶ける音と芳醇な香りが漂い始め、リビングから屋敷全体へと流れてゆく。
 その間にも、出来上がった味噌汁を保温パッドに載せた多恵子は次に若菜の隣に立って生野菜をふんだんに使ったサラダ作りを手伝い、人数分のガラスボールに分け終えると今度は千恵と一緒にベーコンを焼き始める。

「ふふ♪ 多恵子さん、すっかりと朝の忙しさにも慣れたね~」

「ほんとね。長らく主婦をやってただけあって動きに無駄がないわ。お陰でお屋敷の人口が四人増えたにも係わらず毎朝三十分は遅く起きられるようになったしね♪」

「料理のバリエーションも増えたし~、多恵子さん様々だね~♪」

 多恵子の淀みない動きを目で追っていた若菜と真奈美が額を寄せ合い、小さな笑みを零す。
 主婦歴十数年の多恵子が朝晩キッチンに立つ事により、調理の効率が格段に向上ししたのだ。
 それはつまり、主婦組の睡眠時間が少し延びた(つまりは宏と一緒にいられる時間が増えた♥)事を意味する。
 だが、その一方で。

「……それじゃ、朝晩の仕込みは四人にお任せして、ボクは食後の洗い物に専念する。……もちろん、昼食と掃除洗濯は従来通り手伝う」

 多恵子が台所に立つようになってから数日後、家事見習い中の優が自ら戦力外を宣言し、キッチンからの部分撤退を表明した。
 慌てた千恵が詳しく聞くと、

「……段取りや調理の覚束ない人間がいても邪魔なだけ。殊に朝の台所は時間との一本勝負。ボクは時間と人数に余裕のある昼食だけ手伝って、朝晩は後方支援に回る」

 などと理に適った(?)判断を自ら下したのだ。
 そして、空いた時間は疎かになっていた資産運用・財産増強に力を入れると言う。
 料理長(若菜)や副料理長(千恵)、中堅(真奈美)に主婦経験者(多恵子)は優の能力不足説を真っ向から否定するものの、

「好いんじゃない? 狭い台所(トコ)に五人詰めててもかえって動きにくいだろうし、優は優で、昼食で徐々にスキルを上げてけば、いずれ朝晩も手伝えるようになるでしょ。まぁ、料理と財務で適材適所、よ♪」

 と、筆頭妻(晶)の裁定によって優の意志が尊重された。
 また、料理に関してはプロ並みの腕前を持つ若菜、千恵、真奈美に加えて実力充分な多恵子が増強された事により、優が抜けても朝晩の台所仕事に何ら支障が無かった事も後押しとなった。
 かく言う晶も千恵並みに料理は出来るが、この屋敷に移った当初から、

「あたしが前面に出なくとも事は足りるでしょ。餅は餅屋に任せるわ」

 と言い放ち、今では日常のキッチン業務から完全に離れている(但し、宴会時はこの限りでは無い)。
 もっとも、頭の切れるこの筆頭妻は、下手な事を言って料理が当番制に――自分が台所に立たねばならぬ状況に――ならぬよう防いだようなのだが、それはさておき。

「多恵子さんが来てからは、おかずのバリエーションが格段に増えたよな~。オレなんか、毎回楽しみでさ~♪」

「何だかお母さん、前より活き活きとしてる感じ。何て言うか……肌艶が好いし」

「お姉ちゃん、それ、別の理由だと思う。けど、台所に立つお母さんが前より輝いているのは本当ね」

「やっぱ、女は男が出来ると輝くモンよ、ウチもそうだし♪ まぁ、旨い酒の肴も増えたし、これもみんな宏クンのお陰ね♥」

 などと、優の炊事撤退騒ぎが霞む程、多恵子のキッチン参戦はほのかや飛鳥、美優樹、夏穂からも絶賛されたのだった。


     ☆     ☆     ☆


「あぁ~~~、極楽、極楽♪」

 二十一歳の若者とは思えない台詞を吐き、たっぷりと張られた湯に身を沈める宏。
 十二畳強ある浴室にひとりでいると何とも寂しい気もするが、大きな湯船――こちらは四畳半程の広さがある――を独占しているかと思うと、妙な優越感も沸いて来る。

「ひと仕事終えた後の風呂は格別だなぁ~、一日の疲れが染み出てくのが判る~」

 暫く湯の温もりを味わった後、宏は洗い場の床面に置いたタオルに頭を載せ、仰向けに脱力したまま肩から下を湯の中に浮かべる。
 屋敷の浴槽は床面から掘り下げた形なので、寝湯的な使い方も出来るのだ。

「はぁ~~~、生き返る~~~、外の寒さが嘘のようだなぁ~~~~」

 身体の芯から冷え切っていた宏は、深呼吸ひとつ吐(つ)くと顎まで湯に浸る。
 いくら冬の東京に雪は滅多に降らないとは言え、吹き荒ぶ寒風は実家のある雪国と同じか、より冷たく感じるのだ。
 殊に、宏の職場(バイト先)は戸口が大きく開いた倉庫なので、襟にファーの付いた防寒着(会社支給の安物だ)だけでは寒さは凌げない。
 その為、帰宅すると風呂に直行して長湯する毎日が続いているのだ。

「あ~~~、ぬくい~~~、幸せ~~~」

 リラックスの極みに達した所為か無意識に言葉が零れ、頭の中も湯気が詰まったかのように真っ白になる。

「ふふ♪ 宏さんったら、まるでお年寄りみたいですわよ?」

「ヒロったら……だらしないわねぇ。今からそんな爺むさい事言って、どーすんのよ」

 湯の中で惚けていると、柔らかなアルトの声と苦笑する声が宏の意識を呼び覚ました。

「あ、多恵子さん? 晶姉!?」

 声のする方向へ頭を向けると、そこには一糸纏わぬ妖女二人が佇み、夫となった宏に微笑みかけていた。

「お背中を流しに参りました♥ 温まりましたら、こちらへどうぞ♪」

 多恵子が腕で指し示す方向にはシャワーヘッドから湯煙が上がり、枕付のエアマットまで用意されていた。

「あれ、いつの間に? 準備好いですね」

 湯船から起き上がりつつ相好を崩し、流し場に立つ宏。

「お風呂を沸かしている間に、マットに空気を入れて壁に立て掛けておきましたの。いつでもすぐに使えるように、と若菜さんが♪」

「わ、若姉……。流石に見越してるなー」

 つい笑ってしまう宏に、多恵子が腕を取る。

「あら、若菜さんだけではありませんよ? わたくしも……ね♪」

 柔らかな肢体で正面から抱き付き、そのままマットの上へと誘導する多恵子。
 アップに纏めた髪のほつれ毛が宏の目の前に展開され、年相応の色香となって宏の股間を直撃する。
 当然、熱を帯びた肉棒がニョキニョキと伸び始め、上向きになって多恵子の下腹部を突き上げてゆく。

「あら♥ 宏さんったら……こんな所でわたくしに欲情なさって……」

「多恵子さんが相変わらず色っぽいからです♥ それに、ここは『よくじょう』ですから♪」

 この時、背後の晶が「よくじょう? ……浴場と欲情かいっ!」などと突っ込む声が聞こえたが、宏は知らんぷりを決め込む。

「ふふ♪ ありがとうございます。でもそれは、宏さんが居て下さるお陰ですわ♥」

 エアマットの上で仰向けになった宏へ、ボディーソープを泡立てた多恵子が素手で塗りたくってゆく。
 そしてそのまま覆い被さり、宏の胸板に柔らかな双丘を押し付けるとそのまま身体全体を使って滑らせ始めた。

「って、多恵子さん!? どこでこんな技を覚えたんです?」

 貞淑な多恵子には似つかない行為に驚いたものの、宏は半ば答えを確信しつつ念の為、尋ねてみる。
 すると案の定、多恵子は満面の笑みで答えた。

「飛鳥(あの娘)が持っていたレディコミを参考にしましたの♪ 何でも、殿方とのお風呂には、これが一番悦ばれる――とか♥」

 言いつつ、ソープの滑(ぬめ)りを利用して小さな身体で宏の前面をぬるりぬるり、と滑る多恵子。
 胸に当たる乳首は早くも小指大に硬く屹立し、火照った顔に鼻息も荒くなっている所を見ると、多恵子自身も結構、興奮しているらしい。
 太腿に跨った多恵子の股間からはお湯とは違う、粘着質な液体の存在をも感じる。

「た、確かに気持ち好いです! プニプニしてて柔らかくて温かくて気持ち好いんですが……」

 ボディー洗いは若菜の得意技で何度かお世話にもなっているが、今は素直に悦べない自分がいた。

(多恵子さん、急にどうしたのかな? いつもなら、こんなえっちぃ真似、自らしないのに。……何だか、らしくないな)

 そう思った所為か、顔を赤らめた多恵子の表情に別の意志が見え隠れしているような気がした。

「あの……晶姉?」

 筆頭妻であり、従姉でもある晶に、こうなった経緯(いきさつ)を願うと、

「あたしは補助して見届けるだけだから、ヒロは多恵子さんに目一杯ご奉仕して貰いなさい」

 シャワーで掛け湯を済ませた晶が、ひとり湯船に浸かる所だった。

「……補助? 見届ける……って、何を?」

「言葉通りよ。あたしは多恵子さんとヒロをアシストして見守るだけ。まぁ、無の境地で多恵子さんに身を任せてなさいな♪」

 ウィンクひとつ投げると、さっきまでの宏同様、顎まで湯に浸かる晶。
 この時、「うぃ~~、極楽極楽♪」などと小さく聞こえたが……気のせいにしておこう。
 宏が晶に気を取られていると、頬を撫でた多恵子に唇を奪われてしまう。

「それでは宏さん。本日はわたくしが心からご奉仕致します♥」

 目元を紅く染めた多恵子が、今度はディープキスを宏に贈った。


     ☆     ☆     ☆


(あぁ……いよいよ宏さんに『この身を捧げる』時が来たのね。……大丈夫、晶さんや優さんから教わった通りにすれば性交……いや、成功間違い無し、の筈)

 尖った胸を何度も擦り付けながらキスも交わすが、心臓が破裂するのではないかと思える程、鼓動が早まって緊張しているのが自分でも判る。
 三日前から準備して来た集大成が、今、この時に掛かっているのだ。
 否応なしに身体が強ばるが、だからと言って凡ミスでチャンスを失いたくは無い。
 幸い、宏のペニスもいつも通りそそり勃っているので、スルなら今この時を於いて他には無い。

(宏さんに緊張しているのが悟られないようにしなくちゃ。でないと、宏さんに心配掛けちゃうし。普段通り、普段通りに振る舞って、わたくしの最後のしょ――)

「あの……多恵子さん? 何か……凄く緊張してますけど、何かあったんですか? 無理にボディー洗いしなくても好いですよ?」

 しかし、宏からの言葉で思考が中断させられてしまう多恵子。
 不意を突かれ、慌てた所為で宏の上から滑り落ちそうになってしまう。

「へっ!? あ、いえいえ、何も緊張など……こ、こ、こ、これっぽっちも、も、も……」

「えっと……多恵子さん? 普段と違ってガチガチに硬くなって、メッチャ顔が引き攣ってますけど? 取り敢えず、じっとして深呼吸して下さい」

「ほぇ? 深呼吸……ですか? あ、はいっ! こっ、こう、ですね……。『ひっ、ひっ、ふぅ~~~、ひっ、ひっ、ふぅ~~~』」

「「って、多恵子さん。それ、ラマーズ呼吸法……」」

 苦笑する宏と呆れ返る晶の突っ込みも聞こえない程、完全にしどろもどろになる多恵子。
 これでは『何か企んでます』と言っているのも同然だ。

「え? ……あっ! やだ、わたくしったら……何をしてるんでしょう」

 横目に映る晶も、湯船に浸ったまま片手で顔面を押さえて天を仰いでいる。
 どうやら、多恵子の余りな状態に見ていられなくなったらしい。
 何だか、下手に取り繕うとすればする程、ボロが出そうだ。

「あの~~~、多恵子さん? 晶姉と何をしようとしてるのかは判りませんが……夫婦になった以上、俺が力を貸しますから何でも言って下さい。決して、ひとりで背負い込まないで下さい」

(宏さん……こんな年増にも優しくしてくれて、流石、器が大きいですわ♥ ……って、惚れ直している場合ではありませんね。しょうがないですわ。ここは全て打ち明けた方が上手く行きそうですわね)

 夫の真摯な表情と心温まる力添えに、普段の冷静さを徐々に取り戻す多恵子。
 ボディー洗いを一時中断し、エアマット横のタイルの上で背筋を伸ばして正座する。
 宏も身を起こしてマットの枕元で胡座を掻き、多恵子をマットの上に乗るよう身振りで示す。

(宏さんの、この優しさ! これなら、わたくしの願いを叶えてくれる……かもしれませんわね)

 内心、手応えを感じつつ、多恵子は宏の目を見ながら、これまでの経緯(いきさつ)を語り出す。

「実は、宏さんに、わたくしに残された処女を捧げようかと思いまして、晶さんに立ち会いをお願いしたんですの」

「残された……処女?」

 小さく首を傾げる宏。
 流石に、これだけでは何を指しているのか判らないだろう。

「はい。ご存じの通り、わたくしは二人の子持ちですので、宏さんと初めて結ばれた時は処女ではありませんでした。しかし、二人の娘を始め、わたくし以外の奥方は宏さんに『初めて』を捧げております。ですから、わたくしも宏さんに『わたくしの初めて』を捧げたい、とかねがね思い、一計を案じました」

「あ、いや、でも――」

「――っ」

 薄々判ったのか、宏が何か言い掛けるが、晶が湯船の中から片手を上げて無言で制した。
 どうやら、話を最後まで聞け、と言う事らしい。
 頷く宏を待って、多恵子は告白を続ける。

「閨房術に秀でた晶さんと優さんに相談した所、『とあるやり方』もある、とご教授下さいまして、今日はそれを実行しようと宏さんの入浴中を狙った……いえ、お窺いした所存です」

 真面目な話をいたく真剣にしたつもりだが、目の前に座る宏の顔がどんどん赤くなって行くのが湯煙の中でも直ぐに判った。
 言わんとする事を判ってくれたらしい。
 果たして、

「た、多恵子さん? それって……もしかして……お尻で……する……って事ですか?」

 戸惑いつつ言葉にする夫に、想いが通じた多恵子は内心、小躍りして悦んだ。

(流石、十人もの女を娶る宏さんです! エッチに関しては天才です!! エロ大魔神ですっ♪ わたくしの願い、直ぐに判ってくれましたっ!)

 歓喜の想いが顔に出たのだろう、年下の夫は驚きとも嫌悪感とも取れるように目を見開いて眉根を寄せ、何とも複雑な表情になった。
 もっとも、この様な反応は想定通りだった(優が指摘した通りだったので臆する事は無かった)ので、真剣な表情に戻って話を進める。

「宏さんを筆頭に皆様がアナルセックスに否定的なのは伺っておりますし、女から願い出る不躾も充分承知しております。しかし、そこを曲げてお願い致します! わたくしに残された『初めて』を……手付かずで残った女の孔(あな)を、どうか受け取って下さいませんでしょうか? 何卒……わたくしの最初で最後の我が儘をお聞き届け下さいませ!」

 言葉も無く逡巡している夫に、多恵子は瞳を伏せつつ肝心な事も告白する。

「……三日前から食事を調整しておりますし、こちらに参る直前には中を……腸内を洗浄致して綺麗にしております」

 顔から火が出たのでは無いかと思える程の、女にとっては恥ずかしい台詞だ。
 しかし、この羞恥を乗り越えないと、夫に最後の処女は捧げられない。

「無論、行為そのものは安全を期してわたくしが仰向けになる体位で致しますし、コンドームやローション、殺菌用のアルコール、行為後の処理袋も全て用意しております。皆様や宏さんが最も懸念なさる、大腸菌による陰部への感染症のリスクは極力抑えてありますので、どうかご安心下さいませ」

 毅然と顔を上げた多恵子は、宏の手を取って思いの丈を口にする。

「お願いです! どうか……生涯たった一回だけ……わたくしと肛門性交を交わして下さいませ! わたくしの身体で宏さんに初めてを捧げる事が出来る、唯一にして最後のものを、どうか受け取って――」

「多恵子さん」

 語るうちに熱くなっていたようで、身を乗り出して意気込む懇願の言葉が、夫の凛とした声によって遮られた。

「多恵子さんの想い、充分、承知しました。多恵子さんの想い、謹んでお受け致しますっ」

 居住まいを正し、深く頭(こうべ)を垂れる年下の夫に、多恵子の声が震える。

「えっ!? ひ、宏……さん? ほ……本当に……宜しい……のですか!?」

「多恵子さんの想い、決して無駄にはしません! ……但し、後にも先にもこれ一回だけ、ですよ♪」

 穏やかな表情と、それでいて芯のある力強い宏の言葉が多恵子の心に強烈に響いた。

「宏さん……ありがとうございます! この御恩は一生、忘れませんっ!」

 湯船で見守る晶も表情が大きく和らぎ、どことなくホッとした表情を浮かべている。
 知恵を授けた者として、成り行きを案じてくれていたようだ。

(ありがとうございます、晶さん)

 短くも確かな目礼を返す多恵子に、晶も笑って頷いてくれる。
 これで憂い無く、宏に最後の処女孔を捧げる事が出来る。
 そう思った途端、身体が勝手に動いた。

「それでは宏さん。早速イタしましょう♪」

 破顔した多恵子は、晶から渡されたローション片手に、そそくさと宏に躙り寄った。


     ☆     ☆     ☆


(そっか、多恵子さん、ずっと考えてたのか……。ちっとも判らなかったな。そんな素振り、少しも見せなかったし。……きっと、俺らがアナルファックに否定的な事を知って、願い出たくても言い出せなかったんだろうな)

 屋敷最年長にして、自分と再婚するまで性生活から最も遠ざかっていた多恵子からの懇願に、宏は強く胸を打たれた。
 しかも、年頃の女性が異性に対して糞便に関する事を口にするだけでも相当の勇気が要る事位、朴念仁を自負する自分にだって判る。
 普段は決して自分だけの欲求を表に出さない女性だけに、『残された処女』を捧げる想いは相当なものだったに違い無い。
 そんな多恵子の想いを非常に嬉しく思う一方、妻の葛藤を判ってあげられない己の無能さに深く落ち込んでしまう。

(まぁ、アナル表面へ舐め擦ったり指を軽く押し付けたりする愛撫はあっても、感染症を避ける為に指の根本まで入れたり舌を深く挿入したりする、文字通りディープな肛門愛撫は避けて来たからなぁ。ましてや、アナルセックスなんか眼中に無かったし)

(俺もまだまだ、肉体の交わる快楽に溺れる単なる青二才……だな。並み居る美女達から言い寄られて好い気になって、女性(ひと)の……妻の気持ちも判らない大馬鹿者(うつけもの)だ)

 歓ぶ多恵子を尻目に、俯いてそんな事をつらつら思っていたら。

「ヒロ。済んだコトは戻らない。だったら、大事なのはこれから、よ♪」

 掛けられた言葉と同時に、広げた掌で背中をパシン! と勢い好く叩かれた(暫くの間、赤い紅葉型の手形が消えなかった)。
 驚いて振り返ると、ウィンクしてサムズアップしている晶がいた。
 どうやら、落ち込んだ夫にエールを送ったらしい。

「その為に、あたしがいるんだからねっ♪」

「晶姉……」

 自画自賛で高笑いする従姉に、宏の心にのし掛かっていた憂いが一瞬で晴れる。
 たとえ今は貧弱でも、自分には心強い援軍が常にいるのだと、宏は改めて実感する。

「うんっ! 俺、頑張るよ! これを糧に、もっともっとみんなに相応しい男になるよ!」

 顔を上げ、背筋を伸ばして決意も新たに奮起する(ついでに息子もフル勃起させた)宏に、二人の美女は眩しそうに瞳を細めるのだった。

「それじゃ、先ずは交わる前に準備を♪」

 気分一新、心を入れ替えた宏は多恵子をエアマットの上でマングリ返しのポーズを取らせ、剥き出しになった天然パイパンの股間に頭を突っ込んだ。

(いきなり挿れるよか、じっくり愛撫して一度アクメを迎えた方が緊張も解けるし股間も柔らかく解れるしね)

 アナルファックを進んでしたいとは思わないものの、その行為に関する正しい知識を持つ宏は、これから挿れる孔のサイズと己の肉棒の直径を考え、先ずは強張った女体をほぐす事から始めた(従姉も肯定するように頷いている)。
 多恵子の頭は正座した晶の膝枕によって支えられ、宏が女の亀裂に舌を這わせる様子が女性陣からは一目瞭然となった。

「あぁ、宏さん! いきなりこんな格好、恥ずかし過ぎます! お慈悲ですから、どうか普通に……あひゃぁあっ!」

 宏は顔を最接近させ、くすみの無い肌色の淫裂をゆっくりと舐め始めた。
 鼻先が淫裂を掠める度に、浴室の熱気とは別の熱さと発情した匂いを強く感じる。
 両膝を開いて股間を天井に向けた姿勢なので、どうしても女の亀裂が開き気味になってしまうのだ。

「多恵子さんのワレメ、脂肪が程好く乗って、プニプニしてて美味しいです。特に大陰唇の柔らかさと言ったら……霜降り肉以上の美味しさです! それに、中のビラビラも処女の様に皺が無くてピンク色に煌めいて……とっても美味しいです♪」

 舌全体を使って割れ目全体を舐め上げ、次に尖らせた舌先で縦筋だけを何度も舐め上げる。

「あぁ! そ、そんな優しく舐められたら……わたくし……あっという間にイッてしまいますっ!」

 宏の舌先が淫裂上部にある尖った包みを掠めると、多恵子の内腿が小さく震え、嬌声も大きくなる。

「何度イッても好いですよ♪ 俺は舐めるの好きですし飽きませんし……悦んで貰うともっと嬉しいですし♪」

 無毛の亀裂から熱い白蜜が次々と湧き始めると、宏は少し力を入れて淫裂に舌先を潜り込ませる。
 舌先が肉付きの好い大陰唇に左右から挟まれる感触が、宏のペニスに、より活力を与える。

(あぁ……多恵子さんのオマンコ、舐めてて気持ち好いっ! この柔らかオマンコに、チンポ突っ込みてぇっ!)

 宏はこのまま膣挿入に持ち込みたかったが、何とか堪(こら)えてクンニを続ける。
 いっそ、晶にフェラして貰おうかと横目で見ると、物欲しそうな瞳で勃起肉を眺めて涎を啜っては首を横に振って堪え忍んで(?)いた。
 どうやら、今回は一切、手出しはしないらしい。
 宏は肉棒をビクビク震わせたまま、触れるか触れないかの力加減で膣前庭を舐め回し、飛鳥と美優樹が生まれ出た膣口に舌先を突っ込む。

「多恵子さんの愛液で割れ目の中がプールみたいになってます♪ 濡れた媚肉が鮮やかなピンク色に染まって……とても二児の母親とは思えない、綺麗なオマンコです♥」

「あぁああっ! そ、そんな恥ずかしいコト、言わないで下さ……ぃいいっ!!」

 ジュルジュルと音を立てて湧き出す愛液を啜り、その間にも右手で会陰部や鼠蹊部をそっとなぞり、左手で産毛も生えていない恥丘を優しく撫で回す。
 小さな身体と同じ、小振りで無毛のワレメを舐っていると、まるで幼気な中 学生を悪戯しているかのような背徳感をも覚える。
 しかし、相手はれっきとした成人女性であり、年齢も宏よりひと回り以上、上なのだ。
 醸し出す妖艶さと見た目のギャップに肉槍は完全勃起状態が続き、先走り液も多恵子に負けじと噴き出しているのが判る。
 実際、エアマットには多恵子の愛液に宏のガマン汁が混じって大きな水溜まりが出来ている。

「むふふ~♪ それじゃ、こっちの味は、ど~かなぁ~♪」

 宏の攻撃が敏感な地点へ近付くにつれ、多恵子の嬌声も大きく高まってゆく。
 腰が浮き上がり、時折ビクンと跳ねるような反射を見せ始めた。

「あぁ!? そ、そこはダメですっ! 今、弄ったら……飛んじゃいますっ!」

 ギリギリ触れないでおいた淫核が愛液の海で真珠大の真円となって勃ち上がっていた。

「そこ……って、ここ、ですか?」

 わざと淫核そのものに触れず、陰核包皮の周囲を尖らせた舌先でなぞり、剥き出しとなった紅真珠に熱い吐息を吹き掛ける。

「あひぃいっ! ダメ……そこ、らめぇっ!! ひっ!? くぁあああっ! ごっ……後生ですからっ……イカせて下さい~~~~っ!!」

 執拗に焦らす宏に、多恵子の喘ぎ声が一オクターブ、跳ね上がる。
 持ち上げた両足が引き攣り、足の指が攣るのでは無いかと思える程に丸まっている。

「多恵子さん、愛してます♥」

「っ!! ひぐぅうっ!!」

 愛の言葉を贈ると同時に打ち震える秘核をちょっと強めに包皮ごと摘むと、多恵子の恥丘が細かい痙攣を繰り返して肢体全体が綺麗な紅(あか)一色に染まる。
 開いた膣口からは愛液が飛沫となって、宏の顔面へ飛び散ってもゆく。
 どうやら、軽いアクメを迎えたようだ。

「多恵子さん、二人の子持ちなのに敏感~♪ ホント処女みたい♪ ……それじゃ、暫く続けますか♪」

「あぁ……らめぇ……続けてイっちゃう~~~。気持ち好いのが……止まらないのぉ~~~♥」

 小さな身体を何度も大きく震わせ、宏から与えられる快楽に溺れる多恵子。
 宏は舌先で何度も陰核包皮をくすぐり、微妙なバイブレーションも効かせて年上美女を追い込む。
 特に浮き上がる包皮の筋の左側を下から上に真っ直ぐ舐め上げると、多恵子の嬌声と肢体の反射が一段と大きくなった。

「ひっ!? い、ィくぅっ!!」

 息を呑みつつ、再び高みへと駆け上る多恵子。

「なるほど♪ 多恵子さんの性感帯、またひとつ発見~♪」

 蜜壷からは滝のように白蜜が湧き出し、綺麗な窄まりの菊座に溜まると背中側へと流れ落ちてゆく。
 宏の指や舌先が陰部に触れる度に多恵子の菊座も呼吸するかの如くヒク付き、愛液を飲み込んでいる。
 どうやら、イキっ放しの状態になっているようだ。

「そろそろ頃合い、ですね。それじゃ、多恵子さん。多恵子さんに残された最後の処女、俺が貰います!」

 臨戦態勢がとっくに整った肉棒には二枚重ねのコンドームが装着され、アナル用のローション(殺菌・抗菌効果がある特別製なのだそうだ)が陰嚢まで塗(まぶ)されている。
 多恵子の菊座周辺にもローションが塗り込まれ、いつでも挿入可能な状態になっていた。
 膝枕をそっと外した晶が、宏の横に移動して全て整えてくれたのだ。

「多恵子さん、ゆっくりと息を吸って……吐いて……吸って……吐いて……」

 宏のリードに合わせ、仰向けのまま深呼吸を繰り返す多恵子。
 連続したアクメを迎え、自ら判断出来無い程、意識が虚ろになっていたのだ。
 宏は多恵子に屈曲位の体位を取らせ(腸液が直接陰部に掛からないようにする為だ)、ペニスの先端を菊座に宛がうと息を吐き切った瞬間を狙ってゆっくりと腰を推し進めた。

「い゛っ? 痛っ!? あ゛……あぁっ!? 挿(はい)って……挿って来ます!? お尻に……宏さんのおチンポが……挿って来ます!」

「うわっ!? 思ったよりも……ずっときつい! ぜ……全然……挿らないっ」

 いくら愛液とローションの二段重ね効果(?)があるとは言え、本来は内側から外に向かって動く筋肉が、今は逆方向から侵入されようとしているのだ。
 強い抵抗があって然るべきなのだろう。
 多恵子も、肛門に掛かる強い違和感に我を取り戻したようだ。

「ヒロ! 無理に挿れようとしないで、入り口の筋肉をほぐすように何度も突いたり引いたりを繰り返して馴染ませて。多恵子さんも無意識に力が入ってますから、出来るだけオチンチンや下腹を意識しないでリラックスするよう心掛けて下さい」

 二人が脂汗を流している様子に、見かねた晶がアドバイスをくれる。
 なるほど、お互いに無駄な力が入っていたようだ。

「多恵子さん、キス、しましょう♥」

 宏はペニスを菊座に軽く宛がったまま、上体を倒して多恵子の唇に吸い付いた。
 しかし多恵子は身体が小さいので、二人の腰の位置を合わせるとどうしても宏の頭が多恵子の頭上に来てしまう。
 そんな逆境(?)を乗り越え、宏は背中を目一杯丸め、首も縮めて多恵子とキスを交わし合う。
 同時に、右手で豊かに揺れるバスト(八十五センチのDカップだ♪)を掬い上げるように揉みしだき、硬く尖った乳首を指の股に挟み込む。

「あひぃいっ! ち、乳首、らめぇっ! ジンジン痺れて……すぐイっちゃう~~~っ!!」

 多恵子の乳房は誰よりも柔らかく、それでいて仰向けになっても平らに潰れない張りも持ち合わせている。
 そんな全てを捧げてくれる目の前の女性が、自分の愛撫で悶える姿が愛おしくて堪らない。

「多恵子さん、すごく綺麗です♪ それに可愛くて……とってもキュートです」

「あぁ……宏さん……わたくし……こんなにも想われて……幸せです~~♥」

 瞳に薄っすらと光るものを浮かべた多恵子が、両手を宏の胴体に回して縋り付いて来た。

「多恵子さん、好きです。愛してます♥」

「宏さん……わたくしも愛しておりますわぁあ――――――――っ!!」

 胸を愛撫し、キスを交わしながら愛の言葉を紡ぐうちに、ペニスに掛かる抵抗が和らいだ。
 チャンスと見た宏は腰を進め、力の抜けた菊座に侵入を開始する。
 最初にコンドームの精液溜まりが放射状の窄まりに消え、亀頭が徐々に潜り込むにつれて菊座が自ら呑み込むように口を広げてゆく。

「お……あっ……挿ったっ!」

 亀頭のカリ首がキツい輪を潜れば、後は愛液とローションが仲介となって自動的に竿全体を呑み込んでゆく。

「挿(はい)ってます!? 宏さんが……わたくしに挿ってます! あぁ……わたくしの処女が……宏さんに渡って行きます!」

「多恵子さん、もうちょっとで全部挿りますから……我慢して下さい」

 まるで幾重にも捲いた輪ゴムの中を潜り抜けるかのような強烈な抵抗に、宏は身を震わせた。

(こ、この入り口のキツさが……括約筋の締め付け? うわっ、膣内(なか)よりずっと熱いぞっ!?)

(エラに引っ掛かりが無くて……のっぺりとした感じが……腸内の感触!? これが……アナルセックス!?)

(な、何だ!? ホントに突き当たりが無い! 全部挿ったのに……先っちょがどこにも当たらない!)

 視線を結合部に移せば、普段見慣れたペニスが愛液を噴き出している膣では無く、その後ろの排泄孔に根本まで挿っている。

(エロ漫画や官能小説にワンパターンの如く描写されている肛門性交を……今迄絶対にしなかったアナルファックを……俺が実体験している!?)

 初めて尽くしの感覚と視覚に、宏は軽いパニック状態に陥った。
 脳ミソが両手で揺さ振られたかのような強烈な衝撃が走り、背筋を通って身体全体がビクンと大きく震えてしまう。
 ペニスの根本に掛かる猛烈な締め付けよりも、あれほど嫌悪していたアナルセックスを自ら犯している、と言う事実が宏を混乱の極致に追いやったのだ。

「あ……あ……あぁ――――――――っ!!」

 挿入したまま固まっていた宏が多恵子よりも高い嬌声を上げ、小刻みに打ち震えだした。


     ☆     ☆     ☆


「あぁ……宏さんに初めてを捧げてる! お尻に……誰にも挿入させた事の無いお尻に……宏さんのおチンポが挿って来てる!」

 太い亀頭からの圧力と屈曲位の相乗効果で内臓が押し上げられる圧迫感が強烈だが、それだけに繋がる実感が強く沸いてくる。
 そして、宏の動きが止まった。
 視線を結合部に移すと、宏の長大な肉槍の全てが、自分に残された不浄孔に没しているのが見て取れた。

「嬉しい……嬉しいです! 宏さんに……愛する男性(ひと)にわたくしの初めてを捧げられて……こんなに嬉しい事、他にありません!」

 挿入時の痛みはとっくに消え、肛門を押し広げられる違和感だけが際立っているものの、心は自分でも驚くほど穏やかになっている。
 愛する宏に最後の処女を捧げる事が出来た『安心感』、と言えるのかもしれない。

(これで……名実共に宏さんの妻となる事が出来たのね。……そっか、この安心感と充実感を、あの娘達は先に味わったのね)

 多恵子は頭の中で、娘である飛鳥と美優樹の処女喪失シーンを思い浮かべてみる。
 殊に、飛鳥の破瓜を目の前で見ているだけに、娘達の宏への依存度が急上昇したのも頷ける。

(これが……心身共に捧げた女の心地好さ……なのですね。これが……処女を捧げる歓び……)

 自分自身が亡夫相手に処女を捧げた時にも同じ歓びを味わった筈なのだが、今や少しも思い出せない。
 むしろ、宏にお尻の処女を捧げた歓びの方が遥かに大きい。

(これで……宏さんに、この身の全てを捧げる事が出来ました♥)

 大きな深呼吸をひとつ吐(つ)き、心に染み入る温かな女の幸せを噛み締めていたら。

「あ……あ……あぁ――――――――っ!!」

 覆い被さる宏の身体が急に大きく震えたと思ったら、まるで断末魔のような大声を上げた。
 腸内を占めるペニスが急に膨張し、ビクンビクンと打ち震えているのが判った。
 同時に、ほんのりと生暖かい感触がじんわりと伝わっても来る。

「あ……あら? もしかして……宏さん、イッちゃいました?」

 ひと擦りもせず、挿れただけでの余りに早い射精に、レディコミのような激しい抽挿を予想(期待♪)していた多恵子は呆気に取られる。
 隣で一部始終を見守ってくれていた晶に視線を向けると、やはりポカンとした表情を浮かべている。
 どうやら閨房術に長ける晶でさえ、予想も出来無い夫の早撃ちに面食らっているらしい。

「あの、宏さん? 大丈夫……ですか? わたくしの願いは叶いましたので、そのまま退いて下さっても構いませんよ?」

 努めて穏やかに、年上の余裕を持って接したつもりだったが、宏からの反応が全く無い。
 それこそ、撃ち死にしたかのように固まったままだ。

「晶さん? 宏さんが……」

 戸惑いつつも筆頭妻である女性に顔を向けたら。

「……ヒロったら、アナルセックスのショックで堕ちちゃったみたいですねぇ。身体は悦んでも脳が受け付けなかった……ってトコでしょう。でもまぁ、最後までシタんだから、義務は果たした……のかな?」

 最後は疑問形で終わる晶。
 しかし、その表情は苦笑とも慈しみともとれる優しい笑みを零している。
 多恵子が宏に視線を戻すと、確かに……白目を剥いていた。

「宏さん、お疲れ様です♥」

 自然と柔らかく萎んでゆくペニスが、これまた自然とアナルからニュルリと抜け落ちてゆく。
 たっぷりと塗したローション(と愛液)のお陰で、殆ど痛みを感じないまま『最初で最後の孔』を捧げる事が出来た。
 しかも、嫌っていた行為をして頂いた上に、射精(さいご)までしてくれた。
 二人の子を持つ、元・未亡人の多恵子にとって、これ以上の幸せは無かった。

「宏さん、愛してます♥ この多恵子、生涯、宏さんにお仕えする事を誓いますわ♥」

 身体の上で崩れ落ちる再婚相手を優しく抱き締め、瞳に薄っすらと涙を浮かべたまま、いつまでもいつまでも唇を重ねる多恵子だった。


     ☆     ☆     ☆


 その後暫く、宏は屋敷の面々から事ある毎に、

「宏ぃ、堕ちる感覚、気持ち好かっただろ♪」

「宏先輩! 女のアクメを経験したんだって?」

「あんたねぇ~、男が先に堕ちて、どーすんのよっ!」

「宏さん、お母さんの処女を貰って嬉しさの余り失神した……って、本当ですか?」

「あぁ、元・教え子が元・未亡人を襲い、あまつさえアナルまで犯すとは……何てエロいのかしらっ♪」

「宏ちゃんがアナルセックス……宏ちゃんとアナルセックス……宏ちゃんに……」

「宏君ったら、いつの間に多恵子さんを調教して……え? 調教じゃなくて、飼い慣らされたの?」

「……ヒロクン、気にしない気にしない。これも好い経験、だよ♪」

 などと言われ続けたと言う――。


                                            (つづく)

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