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ライトHノベルの部屋
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~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~
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いんたぁみっしょん~姉女房(前編)
いんたぁみっしょん~姉女房(前編)
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美姉妹といっしょ♪~新婚編
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「ふぅ~。怒濤の一日がやっと終わったわね。流石に……疲れたわ」
「無事に終わって好かったわ。千恵ちゃんもお疲れさま♪」
「今日は~、いつも以上に充実した一日だったね~。みんな綺麗だったし宏ちゃんも凛々しくて格好好かったし~♪」
「……うむ。ボク達のアシストも上手くいった」
千恵と真奈美、若菜と優が敷かれた布団の上でひと息吐(つ)いていると、部屋の隅で寝化粧している筆頭妻の晶が苦笑しながら会話に加わって来た。
「無事……かどうか、微妙~だわねぇ。ここに始末書騒ぎの原因を作ったおバカがいるしー」
苦笑しているようにも冷笑しているようにも聞こえる口調で片眉を上げ、千恵達の背後にチラリと視線を向ける晶。 そこには、あられもない寝間着姿(ノーブラのタンクトップ&ショーツのみ)で胡座を掻き、二リットル入りのペットボトルをラッパ飲みしている金髪碧眼娘がいた。
「んぐっ、んぐっ、んぐっ……プッハ~ッ! 風呂上がりに飲む冷たいお茶は格別だぜ……って、な、何だ? みんなしてオレをじっと見て。 ……もしかしてオレ様の色っぺ~姿に欲情でもしたか?」
言われれば確かに、口の端から零れたひと筋のお茶が顎から白い喉を伝って胸の谷間へと流れ落ちてゆく様は誰の目から見ても艶めかしい。 女の色気では引けを取らない晶でさえ、目を奪われたのか暫し凝視してしまう。
「だ、だ、だ、誰がアンタに欲情するかっ! アンタのフライトがヒロに始末書を見事に届けた、って話よっ!」
「あははははっ! そんなに褒めんなよ、照れるじゃん。始末書なんて御祝儀みたいなモンだ。そもそも、宏達に内緒でデモフライトを計画し、オレと副所長に持ち掛けたのは晶だろ? その上でオレ様の見事な操縦で虹色フライトが巧くいったし式も大いに盛り上がったんだから万々歳じゃん♪」
晶の刺すような視線を物ともせず豪快に笑い飛ばしたのは、七色のスモークで紺碧の大空に見事な虹を描いて宏や新婦達(多恵子、夏穂、飛鳥、美優樹)、そして居合わせた観客達から拍手喝采大絶賛を浴びたほのかだ。 全身ほんのりと桜色に染まっているのは、宴会でしこたま呑んだアルコールと天然温泉の恩恵だ。 ここにいる六人は人前結婚式の裏方として宏と新婦達のサポートをし、その後の宴会の切り盛りをこなしてからひとっ風呂浴び、ようやく宛がわれた一階の部屋に落ち着いた所だった。
「……誰も褒めて無い。第一、今日の主役のひとりであるヒロクンに本来無関係である始末書を書かせておいてご祝儀とは、どの口が言うかな。新郎であり、ほのか自身の夫でもあるヒロクンに恥を掻かせてどうする。ましてや、ほのかが起こした突風でヒロクンがプロデュースした結婚式そのものが台無しになる所だった」
反省の色が少しも見られないほのかに、こちらも寝間着姿(ショーツにロングTシャツ一枚のみだ)の優が晶以上に冷たい視線を向ける。 どうやら、おめでたい席での後先考えない度を超した振る舞いに、いたくご立腹らしい。
「でも~、その場にいた人達は全員無事だったし~、宏ちゃんも会長さんと副所長さんに一生懸命頭を下げて宏ちゃんとほのかさんが一枚ずつ書くだけで全て済んだんでしょ~。なら好かったじゃない~♪」
「ほのか先輩は週末までの外出禁止と罰金がプラスされたけどねー」
クマさん柄のパジャマを着た若菜が手を打ち鳴らして笑い、薄緑の水玉模様のパジャマを纏った真奈美が肩を竦めて小声で付け足すと、下ろした髪を櫛で梳(す)いていた千恵が瞳を吊り上げて妹――若菜に肘鉄を食らわせる。
「このおバカ! 始末書を書くハメになったのに、好かったも何も無いわよ! 怪我人が出なかったのだって、単に運が好かっただけの話でしょっ!」
しかし、晶や優の冷めた視線もなんのその。 ほのかは腰に両手を当て、踏ん反り返って豪語した。
「若菜ちゃん、その通り! 妻の不始末は夫が清算する! 流石、宏はこのオレ様が選んだ良人だけあるぜ♪」
かんらかんらと大笑いするほのかに、保湿液を塗っていた晶が目を三角にして立ち上がるや否や、手にしていた瓶で金髪娘の頭をド突いた。 もっとも、寝化粧を完璧に施し何度も鏡を見てから立ち上がるのだから、晶も相当な強者(?)だ。
「こっ……んのドアホッ! 始末書に飽き足らずアンタがしでかした超低空飛行で附近一帯に散乱したブツの後始末、誰がしたと思ってんのっ! ヒロが先頭に立って後始末したのよっ!」
どうやら、余りにふてぶてしい機長の不遜な態度に我慢ならなくなったらしい。 鼻息荒く柳眉を逆立て、瞳も血走らせてほのかへ詰め寄る。
「アンタが! 調子こいて規定外な低高度で飛ぶからっ! 風圧やジェットブラストでみんなの私物やら備品やら列席者の持ち物が広範囲に散らばって回収するのに偉い時間喰ったんだから!!」
「まぁまぁ、そんなカッカしなさんな。せっかくの美貌に皺が寄ってるぜ? それにオレはただ、宏や新婦さん達に歓んで欲しくて飛行機ごと近寄っただけなんだぜ? 実際、美優樹ちゃんがオレのフライトや機体を見て『綺麗ですぅ♪』って言ってくれたし♪ ……あ、後始末だっけ? そいつぁ~ご苦労! いや~、オレも飛んでなきゃ真っ先に手伝ったのになぁ~」
「あ、アンタねぇ~~~っ」
両腕を拡げて肩を竦め、首を横に振りつついけしゃあしゃあと曰(のたま)う脳天気娘に、握り拳をプルプル震わせる筆頭妻。 晶の緩いウェーブの掛かった長い髪は逆立ち、殊に湯上がり直後なので茶色掛かった黒髪が蛇のようにユラユラと蠢いて見える。 そんな二人のバトル(?)を尻目に。
「そう言えば、海に浮いてた絨毯を回収した時は長いし重くて難儀したわねー。あ、でも、海面で漂ってたカツラなんて、お鍋の中で増殖した乾燥ワカメみたいに見えたから笑えたわー」
「……テントなんか、尖った岩場にそっくりそのままの形で引っ掛かってた。あれはあれで前衛的な芸術だった」
「な、ナニを呑気な……。あたいらが参列者にどんだけ頭下げて協力を願い、最後はお礼と感謝で何度平伏(ひれふ)したことか」
明らかに酔っている真奈美と優が思い出し笑いをし、頬を引き攣らせた千恵が突っ込む。
「でも~、その場にいた地元の人や観光客のみんなが快く手伝ってくれたから~、あっという間に元通りになって丸く収まったもんね~。これぞ、宏ちゃんの人徳だね~♪」
手放しで喜んでいる若菜は、予定外の後始末でさえイベントの一部として見ていたようだ。 片や、晶の怒りは未だ納まらない。
「副所長なんか、さめざめと泣きながら『航空局……』『厳重注意……』と呟きながら、あちこち散らばったライスシャワーの米粒や紙吹雪をハンディ掃除機で吸い集めてたわよっ! 会長に至っては蒼い顔のまま『新会社発足直後なのに……』とか呟きつつ、たも(たも網)抱えて海に潜ってたのよっ! ったくぅ、恐縮するやら恥ずかしいやらで宴会前から二人の顔、まともに見られなかったわよっ! ……何より、借りを作って当分頭が上がらなくなっちゃったじゃないっ」
どうやら、会長と副所長に対しての優位性(?)が失われた事への不満が怒りの大部分を占めているようだ。
「……お姉ちゃんの社内的立場はどうでも好いけど、ほのかの二回目のデモフライトは明らかにやり過ぎ。歓んで欲しいと思う気持ちは判らんでもないが、周りに危険を及ぼすのは感心しない。実際、ヒロクンに迷惑が及んでしまった点を留意すべき」
「ゆ、優……、アンタね……」
それまでの怒りを忘れたかのように、がくりと脱力する晶。 立場云々をスルーされて大いにヘコむが、言っている内容はごもっともなので反論出来無いのだ。
「ともかくっ! アンタがしでかした低空飛行でヒロの立場が悪くなり、あまつさえ要らん手間を多大に掛けさせた、ってコトだけは肝に銘じ、今後二度と無茶なフライトはしないで! 何かあったら悲しむのはヒロなのよっ!! 判ったか、このパープー機長っ!」
秘書課課長らしく、直接原因と及ぼした影響、そして今後の方針を明確に示してキツく叱った晶だったが……。
「あ゛~? あんだって~? 宏の勃ちが悪くなった~? そりゃ大変だ、今すぐオレがしゃぶって元通りにしてやろう♥ うん、それがイイ♪ 今すぐ二階に上がって――」
顔を赤らめ呂律も怪しくなった(明らかにアルコールの大量摂取と直後の入浴による悪影響だ)ほのかがショーツ丸出しのまま高笑いし、新婚初夜真っ最中の二階へ行こうと腰を浮かせた――所で。
――ブチッ!!――
晶と優の頭の血管が盛大に切れる音が部屋に響き、続いてほのかの甲高い悲鳴が民宿に木霊した……。
(つづく)
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