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 ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋
     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


恋心(2) 恋心(2) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「夏穂先生。午後は『青の洞窟』へ行ってみませんか? なんでも、伊良部島の有名な隠れスポットだそうで――」

 島の目抜き通りにある食堂で賑やかな昼食を終え、優を筆頭に美女軍団(真奈美、千恵、若菜、多恵子、飛鳥、美優樹)と別れてすぐ。
 宏は恩師であり新妻となった夏穂に声を掛けた。
 すると。

「行くっ! さぁ行こうっ♪ 港は……こっちね」

 打てば響く、と言う言葉が恥ずかしくて逃げ出す程、夏穂は宏の言葉を最後まで聞かぬまま満面の笑みで応え、愛しき男性(ひと)の左手を取って歩き出していた。

「は、早っ! 即答、ですね」

「だって~、待ちに待った宏クンとのツーショットなんだから、目一杯楽しまなきゃ損でしょ♪」

 言いつつ、立ち止まった夏穂が振り向き様に顔を寄せたかと思った次の瞬間。

「……あ♥」

 爽やかな柑橘系の香りが宏の鼻をくすぐり、左頬には温かく柔らかな感触が残った。

「夏穂先生……白昼堂々と人通りのある場所でキスとは大胆ですね。とても現役教師の成せる技とは思えませんが」

「うふふ♪ 今のウチは単なる女よ。社会的立場なんて関係無いわ。……ふふ♪ 照れてる宏クン、可愛い♥ 顔を赤らめて視線を逸らす仕草なんて、高校時代と全く同じだわ」

「そりゃ、同じ人間ですから変わり様が無いですよ。……って、なんです? その、瞳を細めて勝ち誇ったかのような笑い顔は」

「あははははっ! 気にしない、気にしない! まぁ、卒業生の中には卒業した途端に見た目から性格まで劇的に変わってしまった子達が必ずいたからね~。だからかな、今の宏クンが出逢った時の宏クンのままでいてくれるからウチは嬉しいの♥」

「夏穂先生って……ショタコンでしたっけ? 男子高校生がストライクゾーンなんですか?」

 宏の眉根が僅かに寄り、言葉尻も無意識に尖ってしまう。

(夏穂先生、高校時代の俺をいつまでも心に残してんのかなぁ? それって……チョット嫌だな)

 男として、昔の自分をいつまでも引き合いに出されるのは正直、面白く無い。
 しかし、夫の杞憂を表情や語気から感じ取ったのか、夏穂はニコリと微笑むと繋いだ手に力を込めてにじり寄った。

「ほらほらっ、昔の自分に嫉妬しないの! ウチは宏クンなら、何歳でもオッケーよ♪ 第一、ウチは宏クンだからこそ恋をし、妻として娶って貰ったの♥ 今の宏クンは十人もの美女を包み込む度量を持った立派な男性(ひと)であり、ウチを自由に出来る、唯一の男性(ひと)でもあるのよ♥ だから心配しないで!」

「夏穂先生……ありがとうございます♪ でも寛大な心と言う点では、俺や奥さん達の中では夏穂先生が一番かと」

 ちゃんとした言葉と態度で認めて貰った事で心が温かくなり、くすぐったくもなった宏は小さく微笑んだ。
 しかし。
 人間、年上の人や好きな相手から褒めて貰うと心が(口が?)緩むのか、つい、余計なひと言が零れてしまった。

「なんたって夏穂先生は数百人もの卒業生を送り出した教師ですから、人生経験が一番豊富ですし♪」

 台詞の最後を言った途端、それまで柔和な顔で微笑んでいた夏穂の切れ長の瞳が見る間に吊り上がり、眉間に皺が寄り始めた。
 それはまるでSF映画の変身シーンを見ているかのようで……。

「チョット! ソレって、ウチが歳喰ってるって言いたいのっ!? そうなの!? そうなのねっ!」

 それまでの甘い空気と美貌はどこへやら。
 般若と化した夏穂が胸ぐらを掴んで猛然と前後に揺さ振って来た。

「宏クンまでウチの年齢をネタにするのねっ!? ふんっ! どーせウチは三十路オーバーのオバサンよっ!!」

 血走った瞳に歯(牙?)を剥いて詰め寄る元・美女に、宏の背中に冷や汗がひと筋、流れ落ちる。
 どうやら地雷――しかもメガトン級を踏んでしまったらしい。

「ち、違いますって! 俺は単に夏穂先生は立派な大人だと褒めただけで……」

「ムッキーッ! 年下の夫から年齢を指摘されると、なんか悔し――――――――っ!」

 セミロングの黒髪を振り乱し、衆人環視の中で突然感情を露わにする夏穂。
 見た目は二十代前半の妙齢な美人だけに、駄々を捏ねる子供のような言動にみんな目を丸くしている。

「……俺にどうしろと?」

 海よりも深い溜息を吐(つ)いた宏は金輪際、夏穂に対して年齢に係わる台詞を口にしないと、固く心に決めた。


     ☆     ☆     ☆


 宏と夏穂の二人は伊良部島の港から小型のチャーター船に乗って北上する事、十数分。
 洞窟の入口でカヌーのような縦に細長いボートに乗り換え、『青の洞窟』に来ていた。
 ボートは定員三人と小さく、中央に座った宏の両足の間に夏穂が座って背中を宏に預けなければならず、夏穂の肩を抱く宏の肘もボートからはみ出す程に、縦横に余裕が無い。

「ふふ♪ まるで新婚さん向けにあつらえたかのようなボートね。腰に宏クンの『もっこり』が当たってるの、よ~く判るし♪」

「こんなトコでナニ言ってんですか。そんなニヤケた顔で言わないで下さい。それに、揺れるから余り左右に動かないで貰えると助かります。喫水線とボートの縁(へり)が近いんですから――」

「あはは! 心配性ね~。波は穏やかだしボートもそこそこ深いからそうそうひっくり返らないわよ。それよか今は洞窟探検を楽しみましょ♪」

 ボート幅が狭いのは洞窟内へと続く岩穴の大きさに合わせてある為で、波が引いた(海面が下がった)タイミングでボートの最後部にいる船頭さんが身を屈めつつ(お客も上体を反らせて仰向けにならないと頭をぶつけてしまうらしい)ボートを滑り込ませるのだそうだ。
 しかも、この横穴は満潮になると海面下に沈んでしまい、干潮時でも波が高いとボートが岩穴の天井部分に激突してしまうらしい。
 故に、ここを訪れるには干潮時、且つ波が穏やかな時だけに限られ、観光客にとっては運が左右する観光スポットでもあった。

「あははっ! まるでどこぞのアトラクションみたいでスリルがあって楽しいわ!」

「うおぁっ!? 波が来るとボートが持ち上がって岩にぶつかるッ……って、手が届くし!」

 宏は岩穴の天井に顔が擦れるかとヒヤヒヤものだったが、胸の上ではしゃいでいる奥さんはいたくご機嫌だ。
 どうやら見るもの聞くもの体験するもの全てがプラスに働いているようで、街中での騒動は既に遠い過去になっているらしい。
 そして……。

「す、すごいっ……!」

「おぉぉおおぅっ!」

 長さ五メートル程の狭い岩穴を抜けた先には、想像を絶する光景が広がっていた。
 夏穂と宏は無意識に上体を起こし、息を呑んで首を巡らせる。
 洞窟内は縦横が二十五メートルプール程の広さがあり、天井部分も高いドーム型になっている。
 そして何より、陽の光が直接届かないにも係わらず、洞窟内の海がコバルトブルー一色に染まっていた。

「な、何、この海の色は!? 外海の色は濃いブルーだけど……この中は煌めく蒼で……このまま吸い込まれそうで……メチャ、神秘的だわ……」

「蒼……と言うか薄緑、と言うか……まるで翡翠が溶けた海にいるみたいだ」

 それまでのはしゃぎ様が嘘のように、言葉少なく魅入る二人。
 洞窟入口からの光が海中で屈折し、海水を蒼く煌めかせているのだ。

「綺麗ね~。この世の物とは思えない位に澄んだ青、蒼、碧が充ち満ちて……言葉では言い表わせないわ」

「ほ、ホントに凄い蒼……ですね。海底からブルーライトを当てているかのようにキラキラ煌めいて……」

 小さなボートなので宏は自然と夏穂の肩を抱いて引き寄せ、夏穂の頭も宏の胸元に位置する形となっていた。
 当然、胸の中に愛する女性(ひと)を抱き抱えている宏には夏穂の温かな体温が直に伝わり、手に感じる柔らかな肢体や鼻をくすぐる汗と香水の匂いが、いやが上にも性感を揺り起こしてしまう。

(夏穂先生の香水、今日はレモン系なんだな。俺の好きな香りだ。……あぁ、我慢出来無く……なりそう)

 宏の、肩を抱く腕に力が少し、籠もる。

「こうして二人っきりで、青い水晶の中に漂っているかのような……幻想的な風景の中にいるかと思うと……」

「宏クン。今は……言葉は要らないわ。ただ、こうして光の中で触れ合っていられれば、ウチは満足よ」

 仰ぎ見る夏穂の瞳は暗がりでも判る程、濡れ光っていた。

「夏穂……先生」

「……あ、だ、だめよっ……船頭さんが……見てる……」

 宏は上体を屈め、夏穂の顔に覆い被さるように顔を寄せていた。

「薄暗いし俺の影になってるから大丈夫。カップルが肩を寄せ合っているようにしか見えませんよ、……きっと」

 夏穂の細い顎に手を当て、上向かせるとそっと唇を重ねる。

「あむっ……はぅ……んちゅっ……ぁあ……」

「先生……夏穂……先生♥」

 恩師の熱い吐息が宏の顔面をくすぐり、宏も同調するかのように鼓動が高まってもゆく。
 肩から胴体に移した両手に力が籠もり、そのままアンダーバストに手を伸ばす。

「あ……ダメよ……ここじゃ……ダメぇ」

 宏は乳房を支えるように持ち上げ、そのまま手の平を被せて双丘全体を優しく揉みしだく。
 手を宛がったままゆっくりと回転させ、時折指を曲げて胸を掴む動きをする。

「先生のオッパイ、張りがあって揉み応えあって……素敵です。ブラ越しなのに……手に馴染んでます」

「ダメだったら……いやん♥ そこは感じ過ぎるから……弄っちゃダメぇ」

「服の上からでもここ、硬く尖ってるのが判ります♪ 先生も……実は興奮してるんですね」

「そ、それはっ……触れられての生体反応よ! 生物としての本能だわっ」

 視線を外して否定するものの、薄暗くても顔が真っ赤に染まっているのが判る。
 宏は腕の中で何度も身動ぎする夏穂が愛おしくなり、腰をより密着させる。

「俺が先生を求めるのも本能ですが、いけませんか?」

「だからっ! 今はダメだって言ってる……って、宏クンの硬いのが当たって……すごいわ……」

 鼻に掛かった甘い声でイヤイヤと首を振る夏穂だが、腰が微妙に蠢いて宏の股間を盛んに刺激している。
 どうやら本気で拒んでいる訳では無いらしい。
 その証拠に瞳は潤んでいるし、呼吸の度に小鼻も小さく膨れてもいる。
 しかも、潮風とは別に熱く甘い香りが胸元からどんどんと立ち昇っても来る。
 発情した、女の匂いだ。

「先生とずっと密着して甘い匂いをずっと嗅いでいたら、自然と勃起しますってば。なんたって、好きな女性(ひと)が腕の中にいるんですから♥」

「くっ……! 年上キラーな台詞を何の臆面もなく言い放つとは……流石、晶ちゃん達に仕込まれただけはあるわね」

「仕込まれた……だなんて! 俺は生体反応に従い、理性に沿って先生を可愛がっているだけです♥」

「む~~~、仕方無いわねぇ。……今は、キスだけよ♥」

 好い加減我慢出来無くなったのか、夏穂は腕を宏の後頭部に回し、貪るように唇を重ねて来た。
 夏穂自身もかなり昂揚しているらしく、のっけから舌を激しく繰り出し、口の中を隅々まで舐め回しては唾液を啜ってゆく。
 波の音よりもキスを交わす音が大きく響き、これでは船頭さんに自分達がナニをしているのか丸判りだ。

「先生……激しっ……船頭さんが呆れてますって!」

「新婚だと判ってるんだから、大目に見てくれてるわよ。……ほら、こっち見ないでそっぽ向いてるし」

「ったく、しょうがない奥さんだなぁ。昼間っから発情してどうします?」

「って、最初に発情したのは宏クンでしょ。股間硬くして押し付けて……ウチは奥さんとして応えだだけよ」

 照れ隠しなのか、それまで柔らかかった身体と言葉に強さが滲んで来る。
 当然、宏も自ずと言い回しがストレート(しかも速球?)になってゆく。

「違いますって! 夏穂先生が潤んだ瞳でキスをねだって来たんでしょ!? 俺はそれに応えただけで――」

「ナニ、自分だけ好い子振るかなっ? 発情してんだから素直に認めたらどうよっ?」

「好い子振ってなんかいませんって! 先生だって乳首硬くしてフェロモン出しまくりで――」

 それまでの甘い空気はどこへやら。
 お互い言葉がキツくなり、語尾も上がって来る。
 密着していた身体はいつしか隙間が生じ、宏は腰を引き、夏穂は身を捩って対峙する形となっていた。

「む~~~~~っっ!」

「う~~~~~っっ!」

 こうなると、もう子供のケンカだ。

 ――売り言葉に買い言葉――。

 互いに意地を張って引っ込みが付かなくなり、この場に晶や千恵がいたら即・ド突かれる(しかもグ~パンチでだ)レベルにまで達している。
 幻想的な風景の中にいるにも係わらず、場の空気が張り詰めた物へと変わろうかと言う、まさにその時。

「うぉっほんっ」

 年輩の船頭さんからの、大きな咳払い。

「っ……………………」

「ッ……………………」

 出掛かった言葉を呑み込み、口を開けたまま暫し見つめ合う二人。
 チャプチャプとボートを叩く波の音が木霊し、小さく上下に揺れる宏と夏穂。

「…………ふふ……うふふふふっ!」

「…………あはははっ」

 どの位見つめ合ったのか、船が大きく揺れた途端に相好を崩し、一気に破顔する二人。

「うふふっ、あ~~~、おっかしいっ! お互いマジになっちゃって……でも、ウチが悪かったわ。ゴメンね。年甲斐も無くムキになっちゃったわ」

「いえいえ、俺もつい、熱が入っちゃいましたし。すみませんでした、夏穂先生。俺がもっと抑えなきゃいけませんでした」

「気にしないで。お互い様だしね♪」

「ハイ♪」

 額を寄せ合い、再び密着する二人を尻目に。

「さてと。そろそろ本船に戻りますかねぇ」

 賑やかな笑い声に掻き消され、年季の入った船頭さんの渋い声は宏と夏穂に届く事は無かった――。


     ☆     ☆     ☆


 今日の仕事(研修)を終えたほのかと晶を加えての賑やかな夕食を終え、面白可笑しい団欒も済ませてあとは寝るだけとなった所で。

「宏ちゃん、夏穂先生、ごゆっくりどうぞ~♪」

「宏さん、夏穂ちゃんを存分に味わって下さいませ♪ 夏穂ちゃん、今夜は思いっ切り宏さんに甘えると好いわよ♪」

「夏穂お姉さん、もう顔が赤いよ? ……ふふ、期待満々、って感じだね♪ 宏さん、夏穂お姉さんを宜しくお願いします♪」

 ニコニコ顔の若菜やニコ目の多恵子と美優樹からの声援(?)を背に、宏と夏穂は民宿の二階に宛がわれた部屋――八畳二間続き――に追いやられてしまった。
 残りの奥さん達は引き続き一階の食堂で『女だらけのパジャマパーティー・イン・下地島』と称する宴会(ガールズ・トーク)を楽しむらしい。
 階下からは、既に賑やかな笑い声が小さく漏れ聞こえている。

「夏穂先生、部屋の明かり、落としますね」

「え、えぇ……そ、そうね。枕元の行灯(あんどん)だけで充分だわ」

 どことなく緊張を含んだ声の宏と夏穂。
 それまでの喧騒が嘘のように静まった空間にいると、どうしても目の前の相手を意識してしまうのだ。
 しかも、ほの暗くなった部屋の中央では、ひと組だけ敷かれた布団に枕が二つ並んで置かれてもいる。
 何とも時代掛かったシチュエーションで、それがまた行灯が放つ淡いオレンジ色の灯りに照らされてムード満点、存在感満載なのだ。
 ご丁寧な事に、枕元には水差しと桜紙代わりのタオルまで用意されている。

「これは……絶対に若姉の仕業だな。手際が好いのか過剰なお世話なのか……全くもう……」

「あはは、ま、まぁ、みんなからの善意と捉えれば好いのよ」

 布団の上で胡座を掻きつつ苦笑する宏に、夏穂も対面で膝を崩して座り、ぎこちない笑みで応える。
 お互い、暗に『さぁ、心置きなくセックスして下さい』みたいに言われているようで、何となく居心地が悪いのだ。

「そう、ですね。まぁ、昼間のように自然体でいきましょうか。自然体で」

「って言いつつ、宏クン、顔が引き攣ってるわよ。緊張しまくってるの、丸判りじゃない! それのどこが自然体、よ」

「そう言う夏穂先生も、さっきからソワソワして落ち着き無いですよ? 視線もあちこち彷徨って……挙動不審です」

「う゛っ! そ、それは……まぁ、改めて初夜を迎えるようで……何とも気恥ずかしい……と言うか、照れ臭い、ような」

「それは俺も同感です。でも、ハネム~ンでの二人っきり、なんですから、その……あの……」

 至近距離で向かい合ったまま俯き、もじもじする二人。
 傍から見れば、まるで処女と童貞のまま初夜を迎えたようだ。
 ここに晶がいれば、「ナニをもたもたしてんのよ! さっさと始めなさいっ!」と突っ込まれるのが目に見えるようだ。
 それでも。

「……あ! 宏クン、もうそんなに膨らませて……仕方無い生徒ねぇ。それじゃ、担任のウチが面倒見てあ・げ・る♥」

 年長としての余裕なのか、それとも開き直りなのか、切れ長の瞳を潤ませた夏穂は見せ付けるように、ゆっくりと汗で湿ったTシャツを脱ぎ始めた。



「先生……綺麗だ。成熟した大人の女、そのもので……俺、すぐにでも抱きたいです!」

「ず、随分とストレートな求愛で。……でもそう言うの、嫌いじゃ無いわ。それに、ウチの身体で悦んで貰えて嬉しいし。でもまぁ、晶ちゃん達よか六歳も年上だけどねー」

「歳は関係ありません。今、俺が抱きたい……セックスしたいのは、目の前にいる夏穂先生なんです」

 その証拠とばかり、全裸仁王立ちの宏は弓なりに反り返った勃起肉をこれでもかとばかり恩師に突き付ける。
 手で支えなくとも濡れた鈴口が上を向き、正対して立っている夏穂の視線を真っ直ぐ受け止める。

「そ、そんなお臍に届くまで勃起させて……やだ、先走りのお汁(つゆ)がもう吹き出てるじゃない!」

 頬を赤く染めた夏穂が、ゴクリと唾を飲み込むのが判った。
 どうやら恩師もかなり、昂ぶっているようだ。

(夏穂先生、瞳がウルウルしてる。視線が俺のチンポで固定されてるし……それじゃ)

 男らしさの象徴を見せ付ける悦び(?)に、宏はガマン汁が飛び散るのも構わず大きく勃起肉を上下させた。

「あんっ! ガマン汁を恩師に掛けるなんて……はしたない生徒ね!」

 雫が臍の周辺に掛かった瞬間、夏穂は内股になって太腿をモジモジさせ、熱い吐息を盛大に漏らした。
 目元を真っ赤に染めて恥じ入る仕草に、宏の性感が大いに揺さ振られる。

「夏穂先生、すごく色っぽいです。とても妖艶で……見てるだけでも射精(だ)しちゃいそうです♥」

 宏の視線は夏穂の潤んだ切れ長の瞳から徐々に下に向かう。
 意外と華奢な肩と浮き出た鎖骨を辿り、豊かに盛り上がるお碗型のバストとピンク色に色付く尖った蕾。
 細く括れたウェストから横に張り出す丸いヒップライン。
 適度な張りのある太腿から爪先までの緩やかなカーブを描く長い脚は、何度見ても惚れ惚れする美しさだ。
 そしてなにより。

「夏穂先生のパイパン姿、メチャ綺麗です。肉付きの好い割れ目が合わさって深い谷間を刻んでるのが堪らなく卑猥で……すっごく興奮します! 興奮するけど、やっぱり綺麗で色っぽい……が先に来ます!」

 宏の視線を惹き付けて止まない、翳りの無い股間。
 軽く膝を曲げてモデル立ちする夏穂の肌は行灯に照らされても肌理の細やかさや白さが際立ち、それがそのままデルタゾーンへと続いて一本の亀裂を刻んでいる。

「あぁ……これが先生のオマンコ……先生の割れ目なんですね」

 鼻息荒く、恩師の淫裂を凝視する宏。
 フェチ心くすぐる無毛の割れ目に、ペニスの先端からは透明なガマン汁がドクドクと噴き零れ、裏筋を伝って陰嚢にまで滴っている。

「宏クンったら、そんなに濡らして。ウチの裸、ホントに好いの? ……晶ちゃん達よりも?」

 自信無さ気に、上目遣いになる夏穂。
 普段は強気なくせに、いざエッチとなると自身を過小評価するのは若い妻達の裸と比べられる恐れ、なのだろう。
 宏は夫として妻を励まし、女としての自信を植え付けるかのように完全勃起した肉槍を見せ付けた。

「先生の妖艶な完熟ボディーを目の前にしたら、どんな野郎(ヤロー)でも、こうなりますって」

 濃いピンク色の亀頭はパンパンに膨れ、カリ首は傘を開いて大きく拡がり、青筋の浮き立つ太い竿は弓なりに反り返って臍にまで達している。

「嬉しいコト言ってくれちゃってからに。……でも、ウチは他の男なんて知らないし関係無いわ。ウチは宏クンだけに抱かれたいの。宏クンのオチンチン以外は知りたくもない。ウチは……宏クンの全てが好きなの。愛しているの♥」

「夏穂先生……♥ そう言って貰えて嬉しいです」

「それにウチは……宏クンとのエッチを思い出すだけで、こんなにも濡れてしまう身体になったの。宏クンのオチンチンを思い浮かべただけで……欲情してしまう身体になったの」

 言いつつ、両足を肩幅に拡げて股間を示す夏穂。
 そこはすでにテラテラと濡れ光り、湧き出す愛液は内腿から膝下まで幾筋もの流れとなって滴っていた。
 しかも、足を開いた途端に股間に銀の糸が架かり、たらりとシーツにまで垂れ落ちてゆく。

「先生、すっごく濡れてる……指一本、触れてないのに……すごいっ」

「宏クンだって、こんなにも勃起させて……雄、そのものだわ……。それに……オチンチンから立ち昇るこの匂いは……嗅いでるだけで妊娠しそう♥」

 引き付けられるかのように跪き、熱く潤んだ瞳で肉槍を仰ぎ見る夏穂。
 その蕩け切った表情は男に堕ちた雌、そのものだ。

「あぁ……こんなにカリが開いて……この大きく拡がった部分でウチの三十年モノの処女膜を破ったのね。……罪なオチンチンだわ。年代物の貴重な処女膜を破った責任、一生掛けて償って貰うからね♥」

 唇を窄めて亀頭の先端に音を立ててキスをし、たっぷりと湿らせた唇でカリ首を味わうようにゆっくりと扱き、熱く滑(ぬめ)った舌を焦らすように回して亀頭全体を舐め回す夏穂。

「あぅっ! き、気持ち好いっ! 先生の唇、メチャ感じますっ! ……あぁあ!? 先っちょだけ虐めないで!」

「ほほ、ひもちいい?(ここ、気持ち好い?) ほっちは……ろう?(こっちは……どう?)」

 太い竿を頬張ったまま唾液を吹き零し、時折上目遣いで宏の反応を確かめる仕草が宏の欲情を煽ってゆく。

「うぅ……恩師が……元・生徒のチンポを美味しそうにしゃぶって……堪らん光景じゃっ♪」

 仁王立ちする宏の正面で跪き、左手で陰嚢を転がしつつ会陰部を撫で上げ、右手で竿の根本を扱きつつ愛情たっぷりに濃厚なフェラを続ける夏穂。

「先生の指が……フェラと一体となって射精を促してる! た、堪らんっ!」

 顎を突き上げ、恩師のフェラをまともに見られない宏。
 淫靡な光景を目にした途端、盛大な花火を打ち上げるのが目に見えていたからだ。

「んぁあっ! 宏クンのオチンチン、熱くて硬いっ! こんなぶっといのが、ウチの膣内(なか)に挿(はい)って来るかと思うと……愛おしくて堪らないわ♥」

 じゅるじゅると唾液を啜りつつ、亀頭を咥えたまま一時(いっとき)もペニスを離さそうとしない夏穂。

 ――切れ長の瞳は潤み、目元と頬は紅く色付き、荒い鼻息が男の陰毛を盛んに揺らしている――。

 これが凛とした態度で教壇に立つ教師とは誰も思わないだろう。
 宏はここまで貪欲に求めてくれている事実が堪らなく嬉しかった。

(俺が愛した女性(ひと)は必ず応えてくれた! だから俺だって、より一層の愛情を注ぐんだ!)

「うぐぐっ!? んん――――っ!」

 決意が形となって現われたのか、ペニスの締め付けが一段とキツくなり、夏穂がくぐもった声を上げた。
 どうやら竿に血液が流れ込んで更に太く長く、膨らんだらしい。
 見ると、根本まで深く咥えたまま動きが止まり、口の端からは滝のように唾液が零れ落ちていた。

「先生? 大丈夫ですか?」

 本当ならばこの時点でそっと腰を引くべきだったが、フェラの快感に浸り切っていた宏は少し押し込む動きをしてしまった。
 すると、亀頭全体が熱く滑(ぬめ)った部分に挿(はい)り込んだのが判った。

「うわっ!? 何だっ? カリ首がより締まって……あぁあっ……吸われてっ……で、射精す(で)るっ!」

 宏はそれまでの昂ぶりもあって、本能のまま射精行動に突入してしまう。
 夏穂の涙目を尻目に腰を更に押し付け、イラマチオとなって恩師を陵辱(?)する形となった。

「あぁああっ! も、もうダメッ!」

 ――どびゅ――――――――っ!! どびゅびゅびゅびゅっ! どっくんどっくんっ……どびゅ~~~っ!!――

 恩師の喉奥に亀頭を深く差し込んだまま、宏は熱くたぎった精液を直接、食道へと解き放っていた。


     ☆     ☆     ☆


(あぁあっ!? 亀頭が膨らんで……出てるっ! 宏クン、射精してるっ!! あぁああっ!? 精液が直接胃に注がれてるっ!? あぁ……熱くて……食道がヤケドしてるっ!!)

 フェラ真っ最中の夏穂は突然、竿が膨らんだかと思ったら喉奥までペニスを突っ込まれ、呼吸もままならないままに大量に射精されたのだから堪らない。

(な、なんて量なのっ!? く、苦しいっ! こ、こんなの、一度じゃ呑めないっ!)

 僅かな思考の最中でも容赦無く吐精され、夏穂は本能的に飲み下すしか手段は無かった。
 涙目になりつつ何とか精液を呑み干し、ペニスの痙攣が治まった所でゆっくりと喉奥から引き抜く。

「プッパ~ッ! ひ、宏クンったら、射精(だ)し過ぎよ! 溺れるかと思ったわっ。……あ、でも宏クンの精液に塗れながら昇天するのもイイかも♪」

 つい欲望が駄々漏れてしまい、ぐへへと涎を啜ったら目を眇めた元・教え子からド突かれてしまった。

「ナニ言ってんですか。俺は『ぶっかけ』の趣味はありませんって。第一、この程度で昇天する夏穂先生でも無いでしょうに」

「あら、それはお互い様でしょ? 宏クンだって、五発や十発射精(だ)したって、ちっとも萎れないじゃない♪」

 未だに衰えない勃起肉を晒しながら苦笑する宏に、夏穂もカウンターを喰らわせる。
 夏穂はこれまで身体を重ねるうちに、宏の性欲の深さをちゃんと把握していたのだ。

「ウチは宏クンならいつでも受け入れオッケーよ♪ でも、腎虚はご勘弁願いたいわね」

「誰が愛しい女性(ひと)を置いて先立ちますか。俺は夏穂先生や晶姉達に看取られるつもりなんですから」

「あらまぁ、随分と気が早いコトで。でも、今は遠い将来よりもこの時間を楽しみたいわね」

「同感です。それじゃ、今度は先生とキスしながらイキますか♥」

「あら、偶然ね。ウチもそうしたいと思ってたトコよ。……来て♥」

 布団の真ん中で仰向けになり、両手を宙に伸ばし足をM字に開いて宏を誘う夏穂。
 大量の精液を飲み干したお陰で身体の芯が火照り、子宮が精子を欲して下って来ている。

「夏穂先生……好きです♥」

「ウチもよ♥ 愛してる。……ずっとずっと愛してる。……死んでからも愛してる♥」

「俺も……ずっとこの膣内(なか)にいたいですっ」

「はぁぁぁあああんっ! そ、そんなゆっくり挿れないで! アソコが疼いて……じ、焦れったくて……もっと早く挿れてぇっ! 奥まで宏クンを感じさせてぇ!」

 腰を揺すり、跳ね上げた両足を宏の腰に回して強く引き寄せる夏穂。
 宏は膣口に宛がった亀頭を毎秒一ミリ程度のスピードで挿入していたのだ。


     ☆     ☆     ☆


「早く挿れる……んですか? こんな風に?」

 夏穂の細いウェストを掴んだ宏は一瞬で膣奥まで挿入し、同じ速さで引き抜いて膣口に亀頭が軽く触れている状態に戻した。
 電光石火のピストン技である。
 もっとも夏穂の膣肉が愛液で満たされ、柔らかく熟れていたからこその抽挿(芸当?)だ。
 これが前戯段階だったら、ほぐれていない膣肉に行く手を阻まれて高速ピストンなど出来やしなかっただろう。

「ひ、宏クンの意地悪っ! 鬼っ! 鬼畜っ! 女殺しっ!!」

「先生……ナニ、訳の判らんコトを……」

「だって……だって宏クンが……宏クンがぁ~~~」

 涙目でしゃくり上げる夏穂に、宏が驚いた。

「って、何で泣くんですかっ」

「身体の奥で宏クンをいっぱい感じたいのに……だのに……だのにぃ~~~~っっ!!」

 とても三十路越えの女性とは思えない可愛らしい言動に、宏は罪悪感が湧き上がってしまった。

「ご、ごめんなさい! 夏穂先生が可愛くて……つい……虐めるようなマネを……」

「……ぐっすん……反省……してる?」

「してます!」

「……ひっく、ひっく……もう、虐めない?」

「決して!」

「……うるうる……じゃ、ちゃんと愛して、くれる?」

「今すぐに!」

「……ウチが満足するまで愛してくれる?」

「悦んでっ♥」

「よ~し、言質、取ったわよっ! 後で泣いて許しを請うても許さないからねっ!!」

「……え?」

 形勢逆転――とはこの事を言うのだろう。
 それまでの泣き顔を一転、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた夏穂は宏の腰を両足でホールドしたまま、器用にも半回転して女性上位の騎乗位に持ち込んだ。

「あれれ? あの~~~」

「それじゃ、ウチが満足するまで射精(だ)し続けて貰うからねっ♥」

「……え? ……えぇっ!? え~~~~~~~っ!!」

 その後、民宿の二階からは絶えず男の啜り泣く声が漏れ聞こえ、朝食に呼びに来た優と真奈美が息も絶え絶えな(白目を剥いていた?)宏の上で腰を振る夏穂を強引に引き剥がすまで合体が続いていたと言う――。


                                            (つづく)

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