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ライトHノベルの部屋
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~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~
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恋心(6)
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美姉妹といっしょ♪~新婚編
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「宏さん、美優樹からご説明します」
一歩前に出た美優樹が素っ裸のまま、経緯(いきさつ)を語り始めた。
「宏さんと二人っきりになった時に、美優樹が言った言葉、覚えてますか?」
「ん~~~~、……あ、もしかして飛鳥ちゃんの胸を攻略させてみせる云々……ってヤツ?」
顔を上に向けて暫し熟考の後、思い当たったのか顔を戻す宏。
「はい。正解です♪ それを今回実践するべく、千恵さん達にもご協力を戴きました。なにせ、下着を着けたまま温泉に入る人はいませんから♪」
「わたくしからもご説明致しますわ。わたくしも宏さんの妻として夫の心痛を放っておけませんし、母親として娘の暴挙をこれ以上赦す訳には参りません」
微笑む美優樹の後を引き取った多恵子が湯から立ち上がり、腕で胸を隠したままの飛鳥にジト目を向ける。
「夫の心痛!? 暴挙……ってナニよっ! 私は至って普通にしてるだけなのに――」
「お黙りなさい! 貴女、妻として夫に隠し事するとは何様のつもりですか。夫を愚弄するにも程があります!」
「隠し事!? 愚弄って何の事よっ! 私、宏先輩に対してそんな不遜な事した覚え無い!」
完全にいきり立った飛鳥が仁王立ちの母親と対峙するも、母の発したひと言で勝負(?)は一瞬で着いてしまった。
「では、その両腕で隠しているものは何です?」
「!! そ、それは……っ!!」
隠し事の意味を知った飛鳥は言葉に詰まる。 貧乳コンプレックスを抱える飛鳥にとって、生乳(なまちち)は宏への隠し事に他ならないからだ。
「うぐぐっ……」
指摘されても素直になれない飛鳥は、意固地になって胸をよりきつくガードしてしまう。 ここに来て、それまでなりを潜めていた天の邪鬼な性格が表に出てしまったのだ。 しかも、ナイ乳で悩んでいる事が母親のひと言で全員にもバレてしまった。
「飛鳥。自分勝手な思い込みで夫に心配を掛ける行為が暴挙でなければ何だと言うのです。宏さんも、そんな飛鳥に心を痛めているのですよ? 第一、女の価値はバストの大小で決まるものではありません。今更Aカップを隠した所で、貴女自身の価値は何ら変わらない――」
「な、何よ何よっ! みんな私みたいなペッタンコじゃ無い女性(ひと)に……ナイ乳の悩みなんて一生判りっこ無いわっ! こんなちっぱい見せて……宏先輩にがっかりされる怖さなんて知らないくせにっ!」
母親からの諭すような言葉を最後まで聞かず、飛鳥は涙声で叫ぶや湯船に飛び込んで胸をきつく抱えたまましゃがみ込んでしまう。 みんなに背を向け、まるで自分の殻に閉じ籠もるかのように。 湯の表面にはツインテールに結った栗色の髪が広がって漂い、丸くなった飛鳥の背中を覆い隠してゆく。 そんな悩める子羊に、妻達の中では微乳グループ(?)に属する若菜(七十八センチのCカップだ)、優、美優樹の三人が湯船に入ると静かに歩み寄った。
「飛鳥ちゃん~、宏ちゃんは身体の優劣で私達を区別したり、ましてや差別したり嫌ったりなんか絶対にしないよ~」
「……ヒロクンは女性(ひと)の外見よりも中身をちゃんと見てくれる男性(ひと)。それは飛鳥ちゃんが一番好く知っているし判ってもいる、と聞いた。好きな男性(ひと)を……ヒロクンを信じてあげて欲しい」
「お姉ちゃん。ひとりで悩むのは勝手だけど、中学に入学した時の顛末、覚えてる? 今回もそれと一緒だよ? だのに、どうしてそれに気付けないの? 美優樹、それが一番の不思議だったんだよ?」
若菜が飛鳥の正面から目の高さに合わせてしゃがむと両肩に優しく手を置いて慰め、優と美優樹も優しい笑みを浮かべたまま両隣に腰を下ろす。 飛鳥は同志(?)である貧乳トリオから寄せられる厚意に、荒ぶる心が少し穏やかになったのが自分でも判った。 それに、優と妹からの言葉が強く心に響いた。
(中学入学直後の事件……か。そっか、あの時と状況は違うけど本質は同じ……外見よか中身、か)
辛い過去が頭をよぎる。 この生まれついての栗色の髪のお陰で教師や生徒達から差別され、迫害を受けた事を。 同時に。 この髪のお陰で宏と強い絆が生まれ、想いが深まり、近年結ばれた事も。
「そう……だね。宏先輩は見た目で人を差別しないもんね……。そっか、あの時と同じ……か」
当時、飛鳥と宏の通う公立中学では黒髪、且つストレートヘアである事が常識であり校則でもあった。 髪を染めたりパーマを当てたりする行為は校則違反の異端者として厳しく罰せられる程に。 その為、生まれついて栗色の髪だった飛鳥や天然パーマの生徒は学校側から不良生徒の烙印を押され、尚かつ『黒く髪を染める』『パーマを当ててストレートヘアにする』行為を、内申書を盾に強要され続けた。
(それで学校が嫌になって不登校になったのよね。……部活だけは出たかったけど)
飛鳥は入学してすぐに陸上部へ入り、風を切って走る楽しさを知り始めていた。 そして厳しくも優しく、時には面白可笑しくユーモアを交えて判り易い指導をしてくれる部長への淡い恋心――初恋も意識し始めていた事も。
(でも、そんな私を救ってくれた男性(ひと)がいた。それが……)
飛鳥の視線がチラリと宏に向けられる。
(同じ陸上部の先輩であり、部長をしていた宏先輩だった)
新たに加わった部活仲間の受難を知り、更に学校側の矛盾する行為に以前から不満を募らせていた宏は校長に対して校則の改善を求め、学校側の偏った態度に反発する生徒やその保護者達(地域住民)からも署名を集めた。 それが偶然、地方新聞の地域欄に取り上げられると一般世論からの賛同を多数得る事となり、結果、宏は権力(学校側とそれを擁護する教育委員会)を打ち負かす事――校則の改善に成功したのだった。
「あの時の先輩は他の生徒や教師と違って髪の色や杓子定規な校則で私を差別しなかった。あくまでひとりの人間として扱い、ひとりの女の子として見てくれたっけ」
飛鳥の呟きを裏付けるかのように、宏の声が正面から届いた。
「そうだよ。さっき若姉や優姉も言ってたけど、俺は見た目だけで人の好き嫌いの判断はしない。だからあの時と同じように今回も俺を信じてくれると嬉しい」
「宏先輩! いつの間に……」
どうやら、昔を思い出している間に若菜と場所を替わっていたらしい。
「飛鳥ちゃん、ちょっと考えてみようか」
優しい瞳が、そして肩に置かれた手から温泉よりも温かなモノがまっすぐ飛鳥の心の奥に染み込んで来る。 それは心の荒れた、当時の飛鳥と接した時のように。
「若姉や美優樹ちゃんの背は女性にしては高いけど千恵姉や多恵子さんは日本人女性の二十代平均身長である百五十八センチより十センチ近く低いでしょ? しかも飛鳥ちゃんと多恵子さんの身長差は三十二センチもあるんだよ? でも俺の注ぐ愛情は全く一緒だよね。それと同じで胸が大きいとか小さいとかも関係無いんだ。真奈美さんの胸は奥さん達の中でもっとも大きい八十六センチだけど優姉の胸は七十七センチ。この二人のバストサイズは九センチの差があって見た目もだいぶ違うけど俺の愛する気持ちは全く一緒なんだ。七十四センチの飛鳥ちゃんと三センチ差の優姉に愛情の差なんて生じようが無いんだ。俺は飛鳥ちゃんだから好きなんだ。目の前にいる飛鳥ちゃんそのものが好きなんだ」
そんな熱心に口説く宏の周囲では、何やら不穏な空気が立ち込めていた。
「……ボクは今迄バストサイズで悩んだ事は無かったけど、今は飛鳥ちゃんの気持ちが凄~く判る気がする」
「宏ったら……あたいが背の低さを気にして無いとでも思ってんのかしらっ!?」
「おほほほ……ひとりの女として愛されて幸せですが、あからさまに比較されるのはチョット……ですわねぇ」
眉を下げた優が己の胸を見下ろしながらポツリと零し、拳を握った千恵の片頬が引き攣り、多恵子が苦笑いを浮かべている。 どうやら悪い方面の引き合いに出され、若干(かなり?)ご不満らしい。 そんな、ヘコんでいる三人を指差して笑っていた晶と夏穂だが、続く宏の熱弁にたちまち表情が一変する。
「多恵子さんは見た目こそティーンエイジだけど実際は三十七歳で四十近いし美優樹ちゃんは大人びて見えるけど実際はまだまだ若い十六歳。夏穂先生は二十歳(はたち)前半にみえるけど実は三十一歳で俺の恩師だし晶姉は俺より四つ上の二十五歳で従姉。でも年齢や社会的立場なんて俺には関係無いんだ。多恵子さんは多恵子さんだし美優樹ちゃんは美優樹ちゃんでしょ? 夏穂先生や晶姉は見えないトコで若作りしてるけど一皮剥けばただの女であり俺の妻なんだ! 俺の奥さん達は身体や性格にそれぞれ個性を持っている。でもそれは比べ様が無いし比べる意味も無いんだ! 俺は飛鳥ちゃんが好きで、飛鳥ちゃんそのものを娶ったんだからっ!」
今度こそ眉を逆立てた多恵子に、俯いたまま両拳をきつく握って全身プルプル震わせる夏穂と、見る間に瞳を吊り上げて額に青筋を幾つも浮かべる晶。 そして、そんな禍々しくドス黒いオーラを纏う三人から若菜と真奈美、ほのかと美優樹は顔を引き攣らせてそそくさと離れてゆく。
「今のままの私……ありのままの私……」
俯いたままポツリと呟く飛鳥に、いつになく雄弁な宏がその通りとばかり大きく頷く。 そんな滅茶苦茶落ち込んでいる若妻を励まそうと、気を取り直した(?)妻達から援護射撃が加わった。
「私なんて~、宏ちゃんと初エッチするまで天然パイパンで悩んでたんだから~! 子供っぽくて宏ちゃんに嫌われるかと思って~。でも~♥」
「逆にそれがヒロのフェチだった、ってオチが付いたのよね~。それで全員、脱毛処理して今や全員がパイパンになったのよ♪」
若菜が笑い、ニヤリとする晶が自らの股間を指差す。 更に。
「あの、胸が大きくてごめんなさい! でもねっ」
屋敷最大のバストサイズを誇る真奈美は浴槽の隅で小さくなっていたが、飛鳥に向かって真摯な瞳を向けて来た。
「私なんて何の取り柄もないから下着や衣装で外観を取り繕って宏君の気に入るようにしていた時期があったの。でもそれは間違いだって気付いて、それから素の自分を出せるようになったのよ」
「オレなんざ男言葉だし態度とかちっとも女らしく無くてさ、それで宏に嫌われたらどうしようか、って悩んだ事もあったんだ。でも宏は最初に出逢った時からオレのあるがままを受け入れてくれてたんだぜ♪」
少し垂れ気味の瞳に薄っすらと涙を浮かべた真奈美が自らの過ちを教えてくれ、昔を思い出したのか遠い目をしたほのかが豪快に笑って――でも美しくも優しい碧眼を向けてくれる。
「……ボクは今でも家事一切が苦手。でも、ヒロクンはそれでも好いと言ってくれた。ボク自身が好きだと言ってくれた。……飛鳥ちゃん。人には少なからずコンプレックスを抱えている。でも、それらを無条件で受け入れてくれるのがヒロクン。そんな男性(ひと)がボク達の夫だなんて、三国一の奥さんだと思わない?」
同じ微乳仲間の優がサムズアップし、宏にも熱い視線を向ける。
(そう……なんだ。みんな、私の知らない部分で色々あったんだ……。そっか、あの時から……中学で出逢った時から宏先輩の本質は何も変わって無いんだ)
飛鳥は妻達からの励ましに心揺さ振られ、長年、胸の奥底に根付いていたコンプレックスが徐々に解けてゆくのが判った。
「宏先輩。ホントに……こんな小さく平らな胸でもイイんですか?」
飛鳥は上目遣いに宏の瞳を見つめ、交差させた腕を下ろそうとしたものの、セメントで塗り固められたかのように微動だにしない。 しかも、いつの間にか瞳には涙が浮かんでいる。
「見た目が同じ美優樹よか六センチも胸、小さいし……」
情け無くてぐずぐずと鼻を啜っていたら、背後から筆頭妻である晶がくしゃくしゃと頭を撫で回して来た。
「ヒロが見た目だけで女性(ひと)を判断する男だったら、あたしは処女を捧げて無いし、とうの昔にタコ殴りイモ蹴りしてたわよ。貴女はそのヒロが自ら選んで妻にした女なの。そして! 筆頭妻のあたしと同じ立場にいる妻でもあるの! だから女としてもっと自信を持ちなさい! そうすれば、あたしみたく天下一品、唯一無二にして世界屈指の好い女になるわよ♪」
励ましなのかノロケなのか自慢なのかは微妙だが、言わんとする事は飛鳥にも判った。
「そっか。私は数多(あまた)いる女性の中から選ばれた女……なんだ。卑下する事無く、みんなと同じ立ち位置にいる事が出来る女、なんだ。私はあるがままの私でいて……胸の大きさを気にしなくても好いんだ」
まだまだ頼り無い自信のまま顔を上げると、心配気な顔が十個、こちらに向いていた。 その中心には、あの時と同じ、愛しき男性(ひと)の優しい瞳と笑顔があった。
「宏……先輩。私の胸、こんなんですけど……嫌いにならないでくれますか?」
湯の中で立ち上がり、何度も逡巡した後、交差させた腕をゆっくりと下ろす飛鳥。 すると一斉に歓声が上がり、それまでの重い空気が一転、歓喜に沸き立った。
「うん♪ 俺はここにいる飛鳥ちゃんそのものが好きなんだ♥ 嫌いになる訳が無い!」
一歩踏み出した宏に正面から抱き締められ、唇がそっと奪われる。
「あぁ……宏……先輩……宏先輩っ! 好き……大好きっ♥」
その熱く柔らかな感触に飛鳥は自ら裸の胸を押し付け、愛しき男性(ひと)とのキスと抱擁に酔いしれた。
(あぁ……温泉でするキスって、薄い塩味がする♥ それに乳首が先輩の胸に直接触れて……ブラ越しよりもずっと温かくて……気持ち好いっ♥ ……………………あん♪ お腹に熱くて硬いモノが……ゴツゴツ当たってるぅ♥)
滂沱と涙する飛鳥の、貧乳コンプレックスが解消した瞬間だった。
☆ ☆ ☆
「さて、飛鳥ちゃんの問題が無事解決した所で……ヒロ? 覚悟は好いわねっ!」
かなり怒気を孕んだ晶の声に、飛鳥と熱いキスを交わしていた宏が顔を上げた。
「? 晶姉は何をそんなに怒ってんの? それに……夏穂先生や千恵姉、それに多恵子さんまで目を吊り上げて……何やら顔が……すっげ~恐いんですけど?」
「ほっほ~、宏クンは身に覚えが無い、と。これはこれは……被害者である姉さん、晶ちゃん、千恵ちゃん、被告はこう言ってますが?」
「おほほほっ。宏さんには娘の長年に亘る劣等感を解消して戴いた恩義がありますが、それはそれとして少しお灸が必要なようですね。妻を引き合いに出すのは一向に構いませんが、その中身が……ねぇ、筆頭妻の晶さん?」
「ヒロ。女性の年齢をネタにするなんて……ましてや何時誰が若作りしてるってぇっ!? あたしはそんな不躾なコト言う従弟に育てた覚えは無いわよっ!! ねぇ、幼馴染でもある千恵ちゃん?」
「宏~~~~っ! あたいのコンプレックス知っててあたいの名前を出したの? そうなのねっ!? そうなんでしょっ! 正直に言え――――――――っ!!」
夏穂が片頬を引き攣らせ、多恵子、晶、千恵が額に青筋を幾つも浮かべて(千恵は拳も握ったまま!)にじり寄る。
「……え? ……えぇっ!? ぅわ――――――――っ!!」
岩風呂から強制的に引っ張り上げられた宏は流し場に敷かれたマットに仰向けにされる。
「あのっ、もしかして俺、地雷踏んじゃった? そうなの? そうなのね――――っ!? っむぅ~~~~っ!」
じたばた暴れる宏に、引き合いに出された妻達が一斉に群がり、白く柔らかな女体を押し付けてゆく。
「宏ちゃんったら~、いけずにも程があるよ~。今回ばかりは流石に庇い切れないよ~」
「宏も好い加減、女心の機微を学べば好いのに。これじゃ、いつまで経っても弄られキャラのままだぜ?」
「あの、みんな仲良く! ね、ここは穏便に……って、宏君のおちんちんは逆に滾ってるぅ♪ ……ごくり♥」
若菜とほのかが眉を八の字にして苦笑し、真奈美がオロオロしつつも指を咥えて物欲しそうに宏のイチモツを見つめる。
「あの、宏先輩は悪くありません! 全ては私の為に……えっ? 私も加わって好いんですか? それじゃぁ……♪」
「……って、お姉ちゃんったら、もう宏さんに生オッパイ吸わせてるし! 全く……美優樹達の苦労っていったい……」
晶に手招きされた飛鳥が嬉々として裸の胸を宏に押し付け、首を横に振る美優樹が大きな溜息を吐(つ)く。
「……ヒロクン。身を以て償うしかない。ま、骨は拾ってあげるから、安心して射精(だ)し尽くすと好い♪」
終始笑顔の優(でも瞳は笑っていない!)が宏に向かって諭し、群れに加わる。 どうやら優もバストサイズ云々の部分で少し(かなり?)ダメージを受けていたようだ。
「あの、何だか判んないけどゴメンっ! みんな落ち着いて……って、そ、そこはっ……んぁ~~~~っっ!!」
その後、夜が明けても11Pによる艶やかな嬌声(と男の悲鳴)が露天風呂はおろか、宿の周囲にまで響いていたと言う――。
(つづく)
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