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 ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋  ライトHノベルの部屋
     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


恋文(2) 恋文(2) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「んで、ヒロは副所長と浮気し、不倫するコトになったって訳っ!? それで帰宅してからも浮かれてたってかっ!?」

 宏は従姉であり筆頭妻でもある晶に責め(攻め?)られていた。
 寝る段になるや無言のまま腕を掴まれて自室に連れ込まれ、あれよあれよと衣類を全て剥ぎ取られてベッドに突き飛ばされ、気付けば仰向け大の字でベッドに縛られてしまったのだ。

「晶姉、顔が怖いって。第一、なんで真に受けるかな? ほのかさんの毎度お馴染みのジョークじゃん」

 きつく抱き締めて落ち着かせようにも手首と足首にはベッドの脚に繋がれたSM用の手錠がガッチリ食い込んでいるし、鎖の長さもそれ程長くも無いので殆ど動かせない。
 せいぜい、首と膝が少々動かせる程度なので文字通り、ベッドに磔にされている形だ。
 そんな拉致監禁状態なので性的興奮など起こる筈も無い。
 普段の猛り(?)が嘘のように、今は皮を半分被った亀頭が力無くうな垂れているだけだ。

「何度も言うけど、アレは単に職場での、お笑い目的の言葉のやり取りだって。晶姉なら、ほのかさんのかます冗談とか羽田事務所のアレな雰囲気とか知ってるでしょ? だから真に受けないで手錠外してよ」

「む゛~~~~っ」

「う゛っ!? な、なんで晶姉がそんな、いじらしい顔すんのさ? か、可愛いじゃん! ――って、磔にされてんの、俺なんですけど?」

 何とか翻意させようにも口をへの字にし眉を逆立て思いっ切り拗ねた顔に、怒りか哀しみか、切れ長の瞳には薄っすらと涙まで。
 普段は凜として颯爽と歩く大人だけに、女の子女の子している様は新鮮だ。
 こちらに二百パーセント落ち度が無くとも、何とな~く、女性を泣かせた罪悪感に心が締め付けられてしまう。

(俺、そんなに悪いコト、したかなー? 普通に仕事して、普通に職場仲間と接してただけなのに)

 何度も無実を訴えているにも係わらず、聞く耳を少しも、これっぽっちも、全く持たない筆頭妻の荒い鼻息と血走った瞳に、宏は深い溜息を吐(つ)いた――。


 事の起こりは数時間前に遡る。
 帰宅した晶の、眉根に深い皺が幾つも刻まれた不機嫌そうな顔付きに、『あ、仕事でナニかあったな』と屋敷の全員が直ぐに判る程、筆頭妻から発する負のオーラは凄まじかった。
 触らぬ神に祟り無しとばかり、食事中はみんなして努めて明るい話題を振り、食後の団欒も北欧での思い出話に花を咲かせもした(どちらも緊張感満載だったが)。
 晶以外の全員が意識して仕事の話に触れなかった(触れると核爆発すると判っているので誰も近寄らない)ので、誰もがそのまま夜が過ぎるものとばかり思っていた。
 しかし、当人だけは違ったらしい。
 早々に団欒を切り上げた(緊張感に耐え切れ無くなった一部の妻が就寝理由に自室に逃げた)ところで宏は腕をむんずと掴まれ、

「ヒロ。今日の午前中、副所長に色目、使ってたわねっ!?」

 そして晶からの、部屋に入って最初のお言葉がこれだった。
 裸に剥かれている間、詳しく聞くまでも無く、

「事務のお姉様方から、『いつものサイトに新着動画、配信されてますよ♪』と言われ見せられた、あたしの立場はどーなるっ!」

 瞳を吊り上げ、腰まで届く緩いウェーブの掛かった黒髪も振り乱しながら一方的に捲し立てる晶に、宏はその台詞の中に不機嫌の原因を見つけた。

「へ? ……あ、まさか、また俺達を映したのが流れたの?」

「そうよ! 羽田事務所に於ける、ヒロとほのかの『羽田イチャラブ通信♥』なるサイトよ!」

「そ、そのサイト、まだ稼働中なのか? 先日、大っぴらにしないでと頼んだのに……どんだけお祭り好きなんだよ、ここの連中は」

 宏とほのかの衝撃的なお熱い昼食風景、『あ~ん♥』を捉え、配信したのがこのサイトだ。
 晶はこのサイトに映る宏とほのか、そして副所長が絡む一連のシーンを見せられ、頭に血が昇ったらしい。

「だから、アレはほのかさん特有のジョーク――」

「でもヒロは否定しなかったじゃない! ニタニタ笑って肯定してたじゃない!」

「否定……って、元々冗談だよ? ニタニタ……って、呆れてただけ――」

「言い訳は無用よ!」

 最後まで聞かぬとばかり宏をベッドに突き飛ばすや若菜が密かに常備(?)させているSM手錠を手に詰め寄り、そして浮気だの不倫だのの一方的な台詞を受けていたのだった。
 そして今に至る。


(こうなった晶姉は自分で自己完結するまで暴走し続けるからなぁ。どのみち、とばっちりは全て俺が受けないと他の奥さん達に被害が及ぶし……やれやれ。晶姉の理不尽な解釈もだけど、そのサイトの方がずっと、頭、痛いや)

 先日の「昼食あ~ん♥」動画が広まった直後、宏はほのかとペアを組む副操縦士(コ・パイ)の澪にそれとなく、動画について調査(リサーチ)していたのだ。
 それによると、羽田と丸の内に勤めるお姉様方の『給湯室ネットワーク』の延長線上に件のサイトが出来たらしい。

(澪さん、こうも言ってたっけ)

 次の呑み会での奢りを条件に詳細を聞いたところ、

 ――最初は羽田事務所と丸の内オフィスにいる仲の好い二人が携帯メールで連絡し合っていた、それが所属する事務所の話題やら噂話やらを伝え合っているうちに双方の仲間が増え携帯やスマホでは人数的にも容量的にもメールではカバーし切れ無くなってラインを使い始めた、そしたら今度はチャット機能の利便性から仲間が雪だるま式に膨れ上がり会話の収拾がつかなくなった、そこで同時多数に対応可能なチャットサイトを作った――

 のだとか。

(まぁ、メールの基本は一対一だし、同時多数も不得手だし。何よりタイムラグがメールの最大の弱点だもんなー)

 澪の話には続きがあり、なんでも、

 ――そのチャットサイトはパスワードによるログイン方式の画像もアップ出来るサイトで、これならば携帯やスマホと違い大人数がパソコンに向かってキーボードを打ち込んでさえいれば仕事をしているようにも映るのでとても重宝している――

 のだそうだ。
 いわば、パソコンを使った井戸端会議だろうか。
 しかも、剛の者は電話の受話器を肩と顎で支え、時報や天気予報に相槌打ちつつチャットすると云う。
 これで時間にして五分や十分、上役の目を誤魔化せるのだそうだ。

(晶姉は仕事で毎日のようにウェブ会議してるって言うし、部下は部下で連日チャット雑談、か。やっぱすげぇ会社だな、いろんな意味で)

 そしてそのチャットサイトから派生したのが、宏とほのかの日常を綴った、何たら通信なる動画サイトだ。
 なんでも、羽田事務所で日々目撃される熱々イチャイチャ振りに業を煮やした(?)一部のお姉様が冷やかし(見せしめ!?)の為のサイトとして新たに作ったらしい。
 こちらの動画サイトはプロテクトされず一般公開もされているので、今や四つの親会社からそのグループ会社、そして関連会社に至るまで広く口コミで知れ渡り、多数閲覧されていると言うから恐ろしい。

(最初は少人数でライン使って井戸端会議し、次に大人数でパソコン使ってチャットし、そこへ動画サイト付けたようなものか)

 澪は一見すると線が細く、身長は宏より少し低い百六十五センチ程で、肩に軽く掛かるショートヘアに小顔の可愛らしい女性なのだが、ほのかと匹敵する腕を持つパイロットなのだから侮れない。
 しかも、四ヶ月間みっちり受けた機長昇格プログラムがそろそろ最終段階とかで、あとは幾つもの国家試験に受かると晴れて機長にランクアップするらしい。
 そんな頭脳明晰で人格者たる澪が言うのだから、サイトの謂われについては間違い無いだろう。

(会社の実質トップで女子社員達の憧れの存在たる晶姉も、事務のお姉様達の好奇心ネットワークには敵わないって感じかな? むしろ弄られてる感じがするのは……気の所為か?)

 実際、晶が見た(見せられた)動画は、その『何たら通信』にアップされたモノだと、晶本人が言っているのだから。

(それにしたって、いくら仕事が暇だからって、なにも俺達を撮らなくても――って、今の時期はそれ位しか楽しみが無いか)

 既に諦めの境地の宏。
 しかし、息巻く晶には夫の心情を理解するだけの心の余裕が無いらしい。
 拳を握り、瞳を血走らせている様は、まるで浮気を追及する女、そのものだ。

「で、晶姉は俺等の映る動画の信憑性については、どう判断してるの?」

 宏としては、タブロイド紙に載せるようなエセ情報を安易に信じるなと言ったつもりだったのだが……。

「ヒロ? 事務のお姉様方の個人的繋がりとアリ一匹逃さぬ情報網は侮れないのよ! 下手すれば会社組織を揺るがしかねないのよ!」

 意外にも(情報の真偽は別にして)、その存在を認める発言をかますではないか。
 眉根に皺を寄せ力説し、凜とした顔は飛行業務部長として会社を束ねる管理者のそれだ。

(もしかして……晶姉も社内ネットワークのおこぼれに与るひとりだったりする?)

 今の世の中、隣近所で顔を突き合わせる井戸端会議より、顔や素性も知らない者同士がネットで繋がる方が、遥かに結び付きを強く感じるように。

(そう言えば……今日も帰りしな、隣に建つ会社の事務のお姉さんから『いつもアツアツで羨ましいですね~』な~んて満面の笑顔で言われたもんなー)

 この先、羽田に於ける自分にはプライバシーなるモノは存在しないものとして覚悟した方が好いのかもしれない。

(ほのかさんは、逆にラブラブ振りを見せ付けて嬉々として悦んでるし……どーしたモンかなぁ)

 ここで、宏の意識が目の前で口から火を噴いている大魔神に向く。

「晶姉。部下からの情報網と言ったって、浮気やら不倫やらは明らかにゴシップじゃ――」

「黙らっしゃい! 真偽はどーでも好いのよ! 問題はヒロが! 副所長に! 満面の笑顔を向けてるってコトよ! しかも副所長も満更では無い顔してるってコトが動画で証明されてるってコトよ!」

「「「「あ~あ~あ~……」」」」

 それまでベッドの隅で黙って(ニヤニヤしながら)見ていた四人の女性陣から、一斉に納得とも冷笑とも取れる声が初めて上がる。
 声の主は屋敷の財務大臣にして晶の双子の妹である優、宏の中学高校での二年後輩で今は花の女子大二年の飛鳥、飛鳥の三歳下の妹にして姉と同じ大学に籍を置く美優樹、そして美貌のパイロットにして宏を自社にスカウトしたほのかだ。
 いずれもショーツ一枚だけの下着姿で、大の字になった宏を囲むよう座っていたのだ。

「晶姉……そんな部分的な動画は全てを物語って無いって。あの時はほのかさんの冗談に――」

 終始息巻く晶に挫けず、何とか説得を試みようとする宏に、穏やかな声が掛かった。

「……ヒロクン。お姉ちゃんはジェラシーに身を焦がす自分に心酔してるだけ。気にしなくて好い。只の自己陶酔だから、あと数分もすれば醒める」

「――って優! あ、あ、あ、あ、あたしは別に――」

「……動揺した時点でお姉ちゃんの負け」

 常に冷静な優が時計をチラ見しつつ割って入ると、いつも以上に熱くなっている晶の顔が一気に赤くなった。
 相手の事が手に取るように判る双子らしく、優が正鵠を射たらしい。
 そこへ。

「あははは! 晶からのジェラシー攻撃! 宏のHPが二十減った! な~んちって」

「ほのかさん……元はと言えば貴女が遠因なんですが? せめて手錠外して貰えると助かるんですけど?」

「ん? なんで? オレ、ナニかしたか? それにしても……磔の宏、なんか新鮮だな」

 今回の動画配信の切っ掛けを作った張本人だのに、他人事(ひとごと)の如く振る舞うほのか。
 宏の、力無い突っ込みも当然、不発に終わる。
 なにせ素っ裸の大の字に縛られているので、何を言ってもお笑いになってしまうのだ。
 実際。

「宏先輩、不倫に走るんですかっ!? 元陸上短距離選手だけに逃げ足、超早そうっ!」

「お、お姉ちゃん……誰が巧い事を言えと? ――って、宏さんがンな事する訳無いでしょっ!」

 一卵性双生児も裸足で逃げ出す程に瓜二つな飛鳥と美優樹の漫才(?)も飛び出している。

(飛鳥ちゃん、段々、ボケに磨きが掛かって来たように思うのは……俺だけか? 美優樹ちゃんも、飛鳥ちゃんにツっ込むタイミングとかキレとか……腕を上げたよな?)

 もっとも、こちらの年少妻二人は見ているだけでホノボノして来るので、宏に取っては癒しになる。

(あ~ぁ。四人以上揃うと、必ず何かしらのカオスが起きるよなぁ。まぁ、いつもの事だから好いけどさ)

 宏の特大サイズのベッドには美女五人がショーツ姿で(晶もいつの間に部屋着を脱いでいた)、エッチそっちのけでじゃれ合っていた。
 さっきまで怒り心頭で般若顔だった晶でさえ、今は優や飛鳥相手に笑顔を振り捲いてもいる。

「……みんな楽しそうだね。しかも誰も俺を解放してくれないのね。むしろ獲物を狙う虎の如く瞳を光らせてるのね」

 宏の受難(?)は続く――。


                                            (つづく)

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恋文(3) 恋文(3) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「獲物を狙う虎の如く瞳を光らせてるのね」

 宏の諦めにも似た声を、ほのかは聞き逃さなかった。
 否、愛する男性(ひと)の声だからこそ、距離に関係無く耳に届くのだ。

「それはだな。せっかくだし、みんなしてこのまま宏を可愛がってやろうと思ったからだ♪ 繋がれたまんまじゃ可哀想だからな」

「え~っと、ほのかさん? 可哀想と思うなら今すぐこの手錠外してくれると、もの凄~~~く嬉しいんだけど?」

「却下」

「なんでっ!?」

 夫の願いを即行で切り捨てたら、瞬時に目を剥いて来た。
 この打てば響く言葉のやり取りが、今は何よりも嬉しいし楽しくて堪らない。

(えへへ~♪ オレも宏とツーカーの仲になった証しみたいなもんだからな♪)

 これまでは晶と優姉妹や千恵と若菜姉妹にそのお株があり、それを宏との出逢いが最も遅かった自分が羨ましく眺めていただけだったが、いつしか旧知の間柄の如く、阿吽の呼吸(?)でボケツっ込み出来るまでになったのだ。
 宏を愛おしく思う気持ちが溢れて仕方が無い。
 胸が熱くなり、鼓動も速まり耳まで火照っているのが鏡を見ずとも判る。

(これでより一層、夫婦の絆が深まったって感じだな♥)

 もっとも、今はスッポンポン大の字に縛られているので『一家の大黒柱!』と呼ぶには些か微妙だが。
 むしろ、股間でプランプラン揺れる平常時のナニが、いつになく愛らしく映る訳で……♪
 ほのかは腰まで伸ばした波打つ金髪を背中に払い、手錠を外さない理由をあっさりと白状する。

「だってよ~、いつもオレ達、宏に好いように陵辱されてるじゃん? だったら、たまにはオレ達が……なぁ♥」

「りょ、陵辱っ!? そ、そんなつもり俺には――んぐぐ」

 笑みを浮かべたほのかは、磔にされたまま気色ばむご当主の唇に自分の唇に当てた人差し指を宛がい、言葉を封じる。
 そして物理的な抵抗が出来無いのを好い事に身を乗り出し、頬から顎に白魚のような指先を滑らせてゆく。

「判ってるって。そう怒るな。単なる言葉遊びだよ♥」

 宏の瞳を覗き込みながら、囁くように言う。
 すると判ってくれたのか、宏の瞳と表情に安堵の色が浮かんだ。
 この時、背後の晶が「アンタ……そうやって会社でも周囲の人間弄ってた訳ね。動画もそれだったって、今の見てよ~く判ったわ」などと溜息混じりに言っているのが耳に入った。
 どうやら、これで晶の宏に対する謂われ無き怒りも完全に鎮まり、動画への信用度もそれなりに収まるだろう。

(むはは♪ それにしても無抵抗の人間を好き勝手弄(いじ)るのは快感だぜ♪ しかも宏の肌、男のくせにスベスベしてやがる! まぁ、これは風呂で誰かしらに毎日ボディケアされてるから当たり前か)

(むほほ♪ 昔は陸上部だけあって、すっげ~筋肉付いてるな。腹筋も割れてるし、二の腕や肩にも好い肉、付いてるぜ♪ 特に太腿と膨ら脛、尻の筋肉量は流石、陸上短距離で鍛え上げただけはあるぜ♪ 惚れ惚れする肉体だ♥)

 鼻息荒く、愛しき男性(ひと)の肌を掠めるよう、撫で擦ってゆく。
 それに比例して乳首の疼きが増し、お腹の奥が熱を孕んでも来る。

(フ~、フ~、まるで大人のお医者さんゴッコ、してる気分だぜ♪ こ、こりゃ……癖になるぜっ)

 飽きる事無く、愛しき男性(ひと)の裸体を隅々まで視姦し、指を這わせてゆく。
 いつしかショーツのクロッチがベットリと濡れそぼり、割れ目に張り付いている感触すら気持ち好い。

「ほ、ほのかさん! こそばゆいって! 産毛だけ掃くようにして全身撫でないで!」

「はぁはぁはぁ、ひ、宏ぃ、こ、ココがエエのんか? エエのんか?」

「なんでやねんっ!」

 指を滑らせる度に腰を跳ね上げ身を捩り、好い声で啼く歳下の夫に、何かイケナイ属性に目覚めそうだ。
 否、既に目覚めてしまったかもしれない。
 鼓動はとうの昔に高まり、まるで半鐘を乱打しているかのようだ。
 乳房全体が張り詰め、体温が上がっている所為か全身に薄っすらと汗も掻き始めてもいる。

「うぁあっ! ほ、ほのかさんッ! あっ、そ、ソコは……あひぃっ!? うあぁっ!」

 宏が身悶える度に股間のイチモツが左右にプラプラ揺れ、しかもさっきよりも太く、長くなってもいる。
 どうやら、くすぐったさが性電気に変換され、股間に集まっているらしい。

(こりゃ……宏がベッドヤクザに変身するの、判る気がするぜ。自分の愛撫ひとつで相手が可愛く悶えるんだもんな、もっと啼かせたくなって当然だぜ♥)

 無意識に涎を啜り、食い入るように半泣き(?)状態の夫を見るほのか。
 触れられている方も荒い息を繰り返し、股間の如意棒も半勃ち程度にまで性長している。

(むはは♪ 勃って来た勃って来た♥ これぞ宏♪ オレがバージン捧げたペニスだぜ♪)

 ほのかの切れ長の碧眼もすっかり血走り、鼻息もさっきまでの晶程に荒くなっていた。

「ほ、ほのかさん! 目! 目が据わってるって! 目に光が無くなってるって!」

 夫が何か叫んでいるが、遠くに聞こえるだけで頭にまで入って来ない。
 聞こえるのは、歳下の夫の可愛い喘ぎ声だけだ。

「ぐへへへっ♪ ひ~ろ~し~、今夜は寝かさないぜ♥」

 そう言うや、涎を手の甲で拭ったほのかは宏の両脚の間に陣取り、勃起途中のイチモツを迎え撃つようパクリと咥えた。


     ☆     ☆     ☆


「ほ、ほのかさん、急に人が変わったみたい」

「そ、そだね。なんか、近寄ったらイケナイ気がする。流石、スェーデン生まれの女性(ひと)は積極的だわ」

 美優樹は姉の飛鳥と抱き合い、ベッドの一番隅へ、そそくさと身を寄せる。
 目の据わった人の傍にいると、何かしら、ろくでもない事に巻き込まれると実証済みだからだ。

(宏さん、このまま放って置いて大丈夫なのかしら? 晶さんの精神攻撃に続き、ほのかさんの肉体攻撃も受けてるし……。でも、美優樹じゃ誰も止められない)

 シーツに流れる栗色のツインテールを大きく揺らし、最愛の男性(ひと)の現状に美優樹が憂いていると。

「……ボクも一緒に避難する。バーサーカー状態のほのかは甚だ危険。落ち着くまで退避する事を強く推奨する」

 晶の双子の妹、優も枕(当然、宏のモノだ)を胸に抱き締めたまま寄り添って来た。
 優はシャギーにしたショートヘアが似合う、スレンダーボディのお姉様だ。
 常に沈着冷静な分析と判断を下すだけあって、我を失う(?)エッチのさなかでも、その能力は健在らしい。

「優さん。宏さんは大丈夫なんですか? このままじゃ――」

「優先輩! あの、ほのかさん、いったい、どうしちゃったんです?」

 双子も真っ青な位に、三歳違いの美優樹と飛鳥の声が綺麗にユニゾンする。
 しかも二人は鏡に映したかのように同じ外観をしているので、服を脱ぐと区別が殆ど付きにくくなる。
 髪の色や長さ、瞳の色、肌質、声色、手脚の長さや太さ等々、まるで同じなのだ。
 そんな、共に細く長い眉を八の字に下げ、息もピッタリな二人に、

「……美優樹ちゃん。ヒロクン、ああ見えてメチャ頑丈に出来てる。伊達に肉体労働してた訳じゃ無い。鞭とか三角木馬使っても平気。……あ、でも蝋燭は後始末が面倒だしブルーシート敷いて無いから、今はお薦めしない」

「……飛鳥ちゃん。ほのかは萌えスイッチが入ったらしい。磔にされてるヒロクン見て、加虐心(エロモード)に火が点いてる。何たって、スェーデンへのサプライズ里帰りが未だ効いているからね」

 瞳を細めた優の、懇切丁寧な解説が。

「そ、そうなんですか? ほのかさん、いつも宏先輩と明るく楽しいエッチしてるのに、今日は特別……なんですね?」

 姉はホッとした顔で納得したようだが、こちらはそれどころでは無い。

「あ、いえ、美優樹が心配してるのはSM用蝋燭の話じゃなく、磔にされて身動き出来無い宏さんの精神的な面で――」

 何を暢気なとばかり、柳眉を逆立て九歳年上の奥さんに食って掛かったら。

「……………………」

「――って、何で視線を逸らして黙るんですかっ!? もしかしたら本気でヤバい状況に――」

 目を伏せ沈黙する優と、途端に目を剥き、身を乗り出す美優樹。
 優の七十七センチCカップに、美優樹の八十センチBカップが触れ合わんばかりに接近する。
 それこそ、互いにあと一センチでも動けばピンクの蕾同士が見事、合体する程に。
 しかし哀しいかな(?)、双方、美(微)乳だけあって大きくプルルンと上下左右に揺れる事は無い。
 身動きする度に、なだらかな双丘の表面を小さな揺れ(波……振動?)が走るだけだ。
 そんな二人に。

「こらこら、優は面白がって美優樹ちゃんを弄(いじ)るんじゃ無い! 美優樹ちゃん、困ってるでしょ」

「晶さん!」

 筆頭妻が穏やかな声と共に割って入って来た。

「美優樹ちゃん、優の言う事、真に受けなくてイイから。どうせ歳下の可愛い女の子弄って悦んでるだけだし」

「……そんなコト、無い。お姉ちゃんの、気の所為」

「嘘ばっか。瞳がさっきからずっと笑いっぱなしじゃない」

「……むぅ」

 どうやら晶の指摘が正しかったらしく、優は口を尖らせて沈黙した。
 しかし切れ長の瞳は相変わらず優しく笑ったままなので、晶の言う通り、からかわれたらしい。

(それにしても晶さん、顔が元に戻ってる!)

 言葉にしたら本気でド突かれそうだが、正に晶の顔は元の美しく凛々しい顔に戻っていた。
 どうやら思う存分悪態を吐き、不機嫌の原因となった動画の真相も誰かさんの言葉遊びと判ってスッキリしたのか晴々としている(自分達、特に宏さんにはイイ迷惑だったが)。
 実際、

「……お姉ちゃん、ヒロクンを散々罵倒してすっかり溜飲下がったみたいだね。真偽も判明したみたいだし」

「まぁね。どーせ、いつも通りほのかが仰々しく煽り、それを事務連中が面白可笑しく映しただけの動画だもの。真に受けるだけ無駄よ。そもそも、ヒロに浮気やら不倫やらするだけの度胸、ある訳無いし。ま、嫉妬する妻を演じたあたしって健気、って感じかしらん。ヒロだって嫉妬されて嬉しがってる筈だし」

 などとケラケラ笑いつつ平然と言うから恐れ入る。
 筆頭妻とは、かくも強心臓なのだろうか。

(そ、それじゃお屋敷に帰ってからの怒り顔はブラフだったの? 美優樹達が戦々恐々としてた夕食や団欒ってナニっ!? そもそも動画を真に受けてたのは何処の誰!? 手錠で拘束する意味って……宏さん、可哀想)

 筆頭妻へ向けて冷た~い視線をグサグサ突き刺すが、この程度で怯む御仁では無かった。
 一方的な攻撃(口撃!)に満足したのか、ほのかの口唇愛撫も気にせずペットボトルで喉を潤している。

(晶さん、美優樹達を巻き込んでまで、夫でありご当主たる宏さんをあそこまで弄(いじ)るなんて……)

 最年少妻にとって、筆頭妻の晶はまだまだ底の知れない怪物なのかもしれない。
 この時、

「ん゛――――っ! ん゛ん――――っ!! んぐぐぐぐぐっ!」

 晶と優のやり取りがしっかりと聞こえていたらしく、だったら今すぐ拘束解いて! みたいなご当主の吊り上がった瞳が筆頭妻を捉えていた。
 しかし宏の唇はほのかによって塞がれている真っ最中だったので、呻き声にしか聞こえない。
 オマケに、今はほのかの手コキで見事なまでにオベリスクが股間にそそり勃っている訳で……。

「飛鳥ちゃんも、ほのかを気にせず一緒にヒロを弄って大丈夫よ。むしろ飛鳥ちゃんが来るの、待ってるし。ほのかもあんなだけど、噛み付いたり咆えたりしないから」

「晶先輩!? あ、でも、ほのかさん、ナニやら薄気味悪い笑顔浮かべてディープキス、しまくってますケド?」

「あ~、あの顔は元からだから気にしなくて好いわ。それよか今はヒロを弄り放題よ? 日頃、出来無い事を存分にしてみたら? きっと楽しいわよ~。ナニも準備万端、勃ってるし~」

「へ? あ……ホントだ。凄く……立派」

 ニヤリと笑う腹黒筆頭妻に、脳ミソが単純な姉はいとも簡単にそそのかされていた。
 頬と目元を紅(あか)く染め、二年先輩の股間を凝視しゴクリと唾を飲み込んでもいる。
 実に判り易い姉である。

「お、お姉ちゃん……」

 その余りなおバカ加減に、手で顔面を覆い、俯く美優樹。
 夫の身を案じたり姉の脳ミソを憂いたりと、なかなか忙しい娘である。
 その飛鳥と言えば、さっきまでの怯え顔はどこへやら。

「それじゃ、私もキスに加わろうかな……てへ♪」

「へ? お、お姉ちゃんっ!?」

 美優樹の呆れる声を背に、切れ長の瞳を潤ませ、内腿を摺り合わせる飛鳥。
 そそくさと宏に擦り寄り、ほのかと入れ替わるよう、おもむろに上半身を被せてキスに興じ始めた。
 ご丁寧にも片手を宏の頬に添え(しかも親指を口に突っ込む離れ業まで!)、もう片手で胸板と乳首(時々亀頭)を撫でながらフレンチキスとディープキスを交互に繰り返し、味わっている。
 当然(?)、熱烈なキス・第二弾により宏の言葉はまたもや封じられる。

「ん゛~~~! んぐ~~~! むふ~~~っ!」

 じたばた暴れる宏だが、口を塞がれ手足を拘束されていては文字通り、手も足も出ない(口も出せない)。
 大きく反り返る肉槍はほのかに好いようにしゃぶられ、部屋の灯りに濡れ光っているのが艶めかしい。

(うわっ! カリ首があんなに開いて……先っちょもパンパンに膨れ上がってる! 余程、気持ちイイのね。ほのかさんってば目尻下げて瞳を潤ませて……すっごく美味しそうに頬張ってるし)

 乳首の先端に性電気が僅かに走り、ほんのちょっとだけ、ほのかを羨ましく思う美優樹。

(このまま……お姉ちゃんとほのかさんに交じって美優樹も宏さんに♥ ……でも、入る隙間が無いわ)

 宏の口は姉によって封じられ、よくよく見ると舌を吸われ続けているらしく二人の口と顎は唾液塗れになってシーツにまで滴っているし、両脚の間にはほのかがドッカリと陣取ってもいる。

(上と下を同時攻撃されて宏さん、実は満更でも無いのかしら? ほのかさんのストロークに合わせて腰を突き上げてるし、ガッチガチに勃起したおちんちんの先からガマン汁、駄々洩れしてるけど)

 気の所為か、宏の呻き声は、当初は抗議の声だけだったが、今では鼻に抜ける声も混じっているのだ。
 それでも今尚、手足を拘束されているのは変わらない。
 手錠の鍵を持つ晶と、その在処を知る優が今以て解かないので、おそらくはこのままの状態でひと晩過ごす腹積もりなのだろう。

「宏さん、ご愁傷様。骨は美優樹が一片も残さず拾い、香典も弾みますから安心してイッて下さい!」

 美優樹の切れ長の瞳に一粒の涙が浮かんだとか……浮かばなかったとか。

「んぐぐぐっ! ん゛ぐっ! む゛ぐっ! ぬ゛~~~っ!!」

 悶え捲り、瞳で何かを訴え掛ける宏と、晶と優の妖しい眼差しが宏の濡れ光るトーテムポールに注がれショーツを脱ぎ捨てている事に、美優樹は少しも気付けなかった。

「ん゛ぐぐっ! んふ~んふ~~んぐ――――――――っ!!」

 この後の惨状は、ご当主の黒歴史として永遠に封印されたと云う――。


                                            (つづく)

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