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     ~ラブラブハーレムの世界へようこそ♪~


ララバイ(2) ララバイ(2) 美姉妹といっしょ♪~新婚編
 
「それでは新たな命の誕生を祝し、多恵子さんの安産を祈って、乾杯~っ!」

「「「「「「「「「かんぱーいっ!」」」」」」」」」

 ほのかの高らかな音頭がリビングに響き、赤面し俯く多恵子を除く面々の唱和する声が屋敷に響き亘る――。
 ご当主たる宏による『多恵子のおめでた発表』後、リビングは急遽、祝宴会場となった。
 フローリングの床に座布団を並べ、車座になっての宴会と化したのだ。

(みんなお祭り好きだからなぁ。特に誕生日とか何たら記念日とかに目が無いし)

 妻達はずっと照れっぱなしの多恵子を上座に据え、飽きる事無く乾杯を繰り返している。
 宏は視線を右に向け、多恵子、若菜、千恵、真奈美、美優樹と順に辿り、続けて飛鳥、夏穂、ほのか、優、晶と視線を一周させる。
 つまり、宏の左隣は従姉であり筆頭妻である晶が座している事になる。

「多恵子さんのご懐妊を祝って、かんぱ~いっ!」

「乾杯っ」

 屋敷には唱和の度に黄色い歓声と笑い声、そして満面の笑顔が満ち溢れ、暖かく優しい場の空気が冬の冷たさを一掃してゆく。

(今夜はみんなにとって旨い酒になる……んだろうな。……だったら好いな)

 グラスに注がれたビールをチビチビと傾けつつ、宏はもう一度、笑顔の妻達ひとりひとりを目で追った――。


     ☆     ☆     ☆


(多恵子さんのおめでたは嬉しいし喜ばしい限りだけど、晶姉さんはどう思ってるのかな~? 奥さん達の中で唯一、この場でお祝い、言ってないし~)

 夕食の余った食材や残り物から宴会料理の幾つかを手早く作り上げた若菜は、夫である宏の隣でひとり静かにグラスを傾けている晶にチラリと視線を向ける。
 そこには、しかめっ面では無いものの、他の奥さん達みたく弾けるような笑顔でも無い筆頭妻の姿があった。

(晶姉さんってば、敢えて淡々と過ごしてるみたい~)

 若菜は誰かと談笑しつつも、晶の動向が気になって仕方が無かった。

(晶姉さんは昔から負けず嫌いで、何事も宏ちゃんの一番にならないと気が済まない性格、してたからな~。実際、宏ちゃんの童貞、半ば強引に貰い受けた前科があるし、筆頭妻の立場だって。でもって、ご懐妊一番手が多恵子さんだもん。晶姉さんの心中、ホントは悔しさで満ちてる……のかな~?)

 表立って顔には出さないが心の中で探りを入れ、眉を顰める若菜。
 宏とは生家が隣同士と言う事もあり、幼い宏の許へ度々逢いに訪れていた晶の存在は知っていた。
 やがて宏を介して遊び合う間柄となり、年齢が近い事もあって親密になるのに時間は必要無かった。
 以来、晶の性格を知り尽くしているだけに、この静けさが逆に気に掛かるのだ。

(宏ちゃんも晶姉さんの性格、私以上に判ってる筈だけどな~。けど、今以て何も言わないトコ見ると、裏でナニか密約でも交わした……のかな~? 宏ちゃんはドッキリ仕掛けるの得意だし晶姉さんも腹黒いトコ、あるし~)

 晶に聞かれたら瞬殺されそうな事を思いつつ、若菜はひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻へ視線をチラチラと向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(そっか……宏もいよいよパパさんになる日が来るのか)

 多恵子のおめでたは純粋に嬉しいし同じ女として愛する男性(ひと)の子を宿す幸せは、いかばかりかとも思うが、それ以上に幼馴染だった歳下の男の子がいつの間にか一児の父親となるのかと思うと感慨深いものがある。

(宏が生まれてから二十二年間、ずっと傍にいて見て来たんだもん。その宏が……ねぇ)

 自分と双子の妹である若菜、そして宏の三人で夕方遅くまで泥んこになって遊んだ幼き頃の記憶が走馬灯のように浮かんで来る。

(でもそれって、その分、あたいも歳食ったってコトよねっ!? 宏とはたった二歳しか違わないのにっ!?)

 二十四歳、千恵の頬がピクリと引き攣り、高く結い上げたポニーテールが小さく揺れる。
 お目出度い席ではあるが、己の年齢を再認識させられ変に凹む千恵。
 しかも、宏がどんどんと大人になってゆく(今はまだ青年と呼ぶのが相応しい)後ろ姿を、自分はただ呆然と眺めているかのようで。

(寂しさ……とはちょっと違うけど、何だか、お姉ちゃん役だったあたいがいつの間に弟に追い越され、置いて行かれるみたいだわ。強いて言えば……焦り、かな?)

 いつも隣にいた男性(ひと)が知らぬ間に一歩前を歩いている状況に、千恵の胸が小さく痛む。

(でも、今はそれはそれで好いとして……)

 片手にホットウーロンハイのグラスを持ち、イカゲソを口に咥えたまま僅かに眉を顰め、宏の隣に座る筆頭妻を横目でチラリと覗う。

(晶さんは多恵子さんのおめでた、どう思ってるのかな? 先を越された悔しさ……みたいなモノ、無いのかしら? 晶さん、妙なトコで意地張ったり見栄張ったりして騒ぎになるし)

 この後の展開に不安を覚えた千恵は、ひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻へ視線を真っ直ぐに向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(多恵子さんがママ、そんで宏がパパ……か。宏も立派になったもんだなぁ。流石、オレが選んだ男だけあるぜ♪)

 上座で並ぶ二人を微笑ましく眺めつつ、ほのかは夫である宏を熱い目で見つめる。

(オレと宏が初めて出逢ったのは宏が高校二年生の時だもんな。そん時は、十七にしては落ち着いた高校生だと思ってたけど、あれからたった五年間でオレを含めて十人の妻を娶り、名実共に一家の主として君臨するまでになったんだからなぁ)

 宏にとって、そして自分にとっても人生のターニングポイントだけに、四歳下の夫と出逢ってから今日までをしみじみと回想してしまう。

(ん? 待てよ? 多恵子さんが『多恵子ママ』になるなら、オレは『ほのかママ』、とでも呼ばれたりして♪ にゃはははは! 今度、宏にそう呼ばせてみようっと♪)

 ハーフ娘の目尻がデレッと下がり、グフグフと笑う姿に一部の妻達から怪訝な目が向けられる。
 傍から見れば、かなりアルコールが回ってヤバそうな雰囲気なのだが、本人は至ってまともだ。

(しかし、宏とは付き合いの短いオレですらこんなにも感無量な思いに浸るんだから、宏が生まれてからずっと見て来た晶にはもっと胸に染みる想いに浸ってる……ようには見えねぇな)

 実家(スェーデン)から送られて来たスモークサーモンを摘みつつ、ほのかは透き通った宝石のような碧眼を同級生に向ける。
 晶は同じ大学で同じサークルに属していた間柄なのだ。
 その晶がはしゃぐでも無く、かと言って不機嫌丸出しな訳でも無いのだ。

(晶は多恵子さんのおめでた、どう思ってんだ? 何事にも自分が最初じゃなきゃ嫌がる性格してるからなぁ。宏のフォローはどうなってる? まぁ、オレ等の見えないトコでやってるかもしれんが)

 今後の展開に期待し、心浮き立つ自分がいる。
 背中を覆う波打つ金髪を腕で払ったほのかは、ひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻へ視線を真っ直ぐに向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(多恵子さん、本当に好かったわ。これで三人目のお子さんだものね。宏君にとっては第一子ね♪ おっと、晶先輩のジントニック、そろそろ無くなりそうだわ。宏君のチキンナゲットも補充しなきゃ)

 真奈美は空になった皿やアルコール類の瓶や缶をこまめに片付け、新たな肴やドリンク類を座に並べてゆく。
 先輩妻の晶や優、年上の夏穂みたくドッカリと腰を据えて飲み食いしても好いが、宏の妻として、そして主婦の端くれとして、のほほんと座している訳にもいくまい。

(宏君はこれから父親としての責で大変だろうけど、多恵子さんは……経産婦だから心配要らないかしら?)

 横目で妊婦となった多恵子の腹を見るも、その姿は以前と少しも変わらない。

(お屋敷で最も小柄な多恵子さんが臨月を迎えると、いったいどんな姿になるのかしら?)

 頭の中で、ポッコリ膨らんだお腹を揺らす多恵子を想像してみる。

(何だか……赤ちゃんの重さとバランスを取る為に、後ろに大きく反り返りながら歩きそう。ウフフ♪)

 微笑ましい図に、普段から垂れ目がちな瞳が、より一層、下がる。
 と、ここで真奈美はハタと気がついた。

(お腹が出て動きに制限掛かるのは暫く先よね。だとしても、これからは多恵子さんに無理はさせられないから、私が代わりにしっかりと主婦業しなきゃ!)

 背中の半分まで届く黒髪を揺らし、新たな人生目標(?)に心の中で拳を握る真奈美。

(だけど……)

 晶の前にジントニックのお代わりを置きつつ、真奈美は筆頭妻の横顔をチラリと覗う。

(その第一子を多恵子さんに譲ったのか奪われたのかは判らないけど、晶先輩は今回のおめでた、どう思っているのかしら? 宏君の発表前からずっと静かだけど……この後、どうなるのかしら?)

 心が逸り、今後の成り行きが楽しみだ。
 晶の背後で立ち止まった真奈美は、ひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻の背中を真っ直ぐに見据えた――。


     ☆     ☆     ☆


(お母さんに子供……ねぇ。何だか未だに信じられないや)

 まるで他人事(ひとごと)のような出来事に、未だ頭が付いて来ない。

(お母さんの子供ってコトは、私と美優樹の妹、ってコトよね。私とは二十、美優樹とは十七違いの)

 世の中には歳の差カップルはもとより歳の差姉妹も多々あれど、それが実際に自分に当て嵌まるとは想像もしていなかった。

(ううん、違うな。単に、私が考えなかっただけ……なのかも)

 永らく未亡人だった母親が再婚し、充実した夫婦性活を続けていれば、いずれ新たな家族が増えるのだろうと薄々思ってはいた。
 それが何時になるのか……それこそ他人事(ひとごと)として捉えていたのかもしれない。

(この私に妹……ねぇ。二十歳(はたち)の女子大生に新たなる妹、かぁ。クラスメイトに知られたらひと騒ぎだな)

 自身が周囲から好奇の視線を向けられるのは仕方無いと諦めの境地に達しつつあるが、家族の事で注目されるのは、どうかと思う。

(そっかぁ。私に妹、かぁ。しかも二十も上のお姉ちゃん……か)

 余りの年齢差に、想像力が追い付かない。
 むしろ、自分の娘だと考えた方がしっくり来る。
 現に、自分が生まれたのは母が十八の時なのだから。

(つまり、今の私に四十歳の姉がいるのと同じ……か。――って、三十八歳のお母さんよか年上じゃん! なんじゃ、そりゃ? 訳、判らんっ!)

 中学、高校と陸上命! な部活娘の筋肉脳だっただけに、この時点で飛鳥の脳ミソはオーバーヒート気味だ。
 傍から見れば切れ長の瞳は渦を巻き、耳と頭からは湯気が盛大に立ち昇っている事だろう。

(けど……)

 床に着くまで伸ばした栗色のツインテールを小さく揺らし、スクリュードライバーをチビチビと舐めつつ飛鳥の顔が六歳上のOBに向く。
 晶は自分と宏が在籍した高校の卒業生なのだ。

(晶先輩は私のお母さんが新たな妹を産む事、どう思っているんだろ? 奥さんのトップとしてのお言葉、まだ聞いて無いけど)

 新たな妹を思うと心沸き立つが、筆頭妻の心情がイマイチ判らないのがもどかしい。
 ようやく脳ミソが冷えた飛鳥は、ひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻へ視線をチラリと向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(お母さんに子供……かぁ♪ きっと美優樹みたく可愛い妹に決まってるわ♪)

 妊娠がまるで我が事のように、喜色満面になる美優樹。
 飛び級を繰り返した才女の脳ミソは一気にフル回転を始める。

(妹が小学校に入ったら、美優樹がその頃に愛用していた服を着させようかしら♪ お下がりだけど綺麗に取ってあるから大丈夫だと思うし、きっと似合うわ♪)

 早くも姉バカ振りを発揮する美優樹。
 切れ長の瞳は妙に煌めき、胸の前で手を組み天井をうっとりと見上げている画は、どこから見ても怪しい宗教にハマっているかのよう。
 そんな自分の状態に気付いているのか、いないのか。
 栗色に煌めくツインテールを盛大に揺らし、オレンジジュースの瓶を手にするや喉を鳴らし一気に飲み干してゆく。

(今日はおめでたい日になったわ。お母さんや美優樹、そして皆さんにとっても――ん?)

 と、ここで纏う雰囲気が周囲と違う奥さんがひとり、いる事に気付いた。
 沸き立つ空気と一線を画す、物静かな空間なのだ。

(そう言えば今日の晶さん、微笑んではいるけど……どうしたのかしら? いつもの晶さんなら、飛び切りの笑顔で宏さんを祝っている筈なのに)

 切れ長の瞳を僅かに眇め、美優樹の表情が曇る。

(もしかして……お母さんの妊娠が晶さんには嬉しく無い? まさか……ね。でも、宏さんの正式発表の後、未だお祝いの言葉、言って無いし……)

 今までの晶の言動を見れば、そんな事は一切無いと判っている。
 もしかしたら、晶なりに何か思う所があるのかもしれない。

(晶さんはお母さんのおめでた、どう思っているのかしら? 後でこっそり教えて貰おうかしら?)

 新たな命――妹の誕生は心弾むが、筆頭妻の心情にも迫りたい。
 空になった瓶をそっと置いた美優樹は、ひとり静かにグラスを傾けている筆頭妻へ視線を真っ直ぐに向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(ウチに甥っ子、かぁ。二人の姪っ子は親の手をとっくに離れたし、今度はどう育てて行こうか♪)

 何本目かの缶ビールを呷り、夏穂は脳天気にあれこれ想像を巡らしひとり悦に浸っていた。

(やっぱ、『光源氏計画』とか称してウチ専用の甥姪ハ~レムを作り上げて――)

 ビールと一緒に涎も啜る夏穂。
 セミロングの黒髪を大雑把に手で払い、新たな缶ビールに手を伸ばす。

(んぐ……んぐ……んぐ……プッハ~! 今夜の酒は旨いなぁ♪ みんなも楽しそうで何よりだわ♪ ……但し、ひとりだけ例外がいるけどぉ)

 歓喜の声が何度も上がる中、とある人物に視線がどうしても向いてしまう。
 人様の子供を預かり、人生や世の中の不条理をも教え導く教諭としてひとりだけ浮いた存在、或いは異なる行動をする者に敏感なのだ。
 これも職業病の一種だろう。

(晶ちゃん、ご懐妊発表からず~っと静かにしちゃってまぁ。あれは……ナニか腹に抱えている顔付きだわね)

 高校時代の晶を知る教師として、瞬時に判ってしまう。
 他が賑やかなのにひとりだけ物静かな表情を見せる時は、自分の手の平の中で状況が動いている証拠だ。
 だからこそ、不自然な位に淡々と過ごしている元教え子が気になって仕方が無い。

(ま、普段の晶ちゃんなら、『何であたしが最初じゃ無いのよっ! さっさと孕ませないヒロが悪いっ!』とか言って暴れてるトコだろうけど)

 晶本人は絶対に認めないだろうが、他の面々は大きく首肯するだろう。
 何せ、あの晶(と優の双子姉妹)相手に高校の二年間、担任を務め上げたのだ。
 教師としての手腕はプライベートでも健在だ。

(あれは、かなり踏み込んだトコまで知ってる顔付きだわね。もしかして事前に宏クンや姉さんと……)

 大酒をかっ喰らいつつも、鋭い読みをする夏穂。
 身に染みた教師魂は伊達では無い。

(晶ちゃんは姉さんのおめでた、素直な心でどう思った?)

 今後の成り行きが楽しみになり、夏穂は最後まで静観しようと心に決める。
 缶ビールを呷った夏穂は、ひとり静かにグラスを傾けている、今は筆頭妻となった元生徒へ切れ長の瞳を真っ直ぐに向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(……お姉ちゃんは多恵子さんのおめでた、どう捉えた?)

 シャギーカットにしたショートヘアを揺らし、優は姉の顔をまじまじと見つめる。
 他の面々のように遠慮がち、若しくは気遣うような視線を向けず、いつも通りの態度を貫く。

(……ヒロクンは好くやった。男として、そして夫として最初の責務を果たしたね。おめでとう!)

 従弟の成長振りをずっと見て来ただけに、その目覚ましい活躍は見ていて楽しいし、こちらも嬉しくなる。
 ここに誰もいなければ速攻で抱き付き、キスの嵐を降らせていただろう。
 それでも。

(……流石に、今回はお姉ちゃんの心の中まで見通せない。それだけお姉ちゃん、完璧に猫、被ってる)

 双子ならではの、アイコンタクトでの以心伝心が今回は不発なのだ。
 姉自身がずっと伏し目がちで誰とも視線を合わせず、喜怒哀楽も表さないのも一因かもしれない。

(……お姉ちゃん。この後、どう出る? よもや張り合って自分も懐妊した、けど想像妊娠でした、ちゃんちゃん♪ とか言わないよね? まぁ、それはそれで後々のお笑いネタになって好いけど)

 姉のオチャラケを警戒しつつも、今後の展開が楽しみで心が躍る。
 同時に従弟の、宏の父親振りにも期待したい。

(……ヒロクンとお姉ちゃん、これからどうなる?)

 ジンライムを味わいつつ、優はひとり静かにグラスを傾けている双子の姉へ視線を真っ直ぐに向けた――。


     ☆     ☆     ☆


(あらあら。晶さんに視線が集まってますわね。でも、晶さん自身が何も仰らない以上、致し方無いですわ)

 止む事の無い賛辞を受けつつ、正座したままの多恵子は視界の端に晶をずっと捉えていた。
 筆頭妻に向けられるどの視線も怒りや不満等、負の感情では無いのが幸いだ。

(何やらわたくしの事で、皆さんに新たな波紋が拡がっているみたいですわね。晶さんはお見通しのようですけど)

 夫である宏が晶を筆頭妻に就かせた理由のひとつに、この豪胆さがあるのかもしれない。

(それでも、晶さんには不快な思いをさせてしまいましたわね。後できちんとお詫びしないと)

 自分に降り掛かるべき火の粉が他人にまで及んだ形となってしまい、多恵子は申し訳無い気分になる。
 それでも。

(近々、お詫びの証しとして宏さんと濃厚濃密な3Pをして晶さんを昇天させまくろうかしら。わたくしも暫くはエッチ、出来無い身になりますし。おほほのほ♪)

 右手でお腹を撫でつつ、これからの道行きが楽しみで仕方無い多恵子だった――。


                                            (つづく)

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 この間の返信は12/10以降となります。
 お待たせして申し訳ございませんが、何卒ご了承下さいませ。 m(_ _)m
 

[ 感想 ]
飛鳥・美優樹は《妹》って決めつけてるし。おばさんは《男》って決めつけて しかも、 手を出す気まんまんって・・・

晶の今後の対応が気にはなりますが。 若菜がまともなことを考えてるのが驚きです。

[ 毎度お越し戴きありがとうございます♪ ]
アムロ・レイさん
 コメントありがとうございます♪

 若菜はボケているようで冷静な部分も持ち合わせているようで。
 それぞれの奥さん達も、今後の展開が楽しみなようです。

 毎度ご愛顧ありがとうございます♪ m(_ _)m
 

[ お知らせ・その2~緊急版~ ]
 毎度お越し戴き、誠にありがとうございます。
 
 先日(12/9)、弊サイトが一時的に閲覧出来無い(凍結された)状態となりました。
 これはブログ運営会社(FC2)による重大な誤りである事が公式にアナウンスされております。(下記参照)
  http://fc2information.blog.fc2.com/blog-entry-1696.html 

 お越し戴いた皆様にはご不便・ご心配をお掛けし、誠に申し訳ございませんでした。
 作者側に落ち度が一切無いとは言え、この場をお借りして深くお詫び申し上げます。

 申し訳ございませんでした。
 
 このアナウンスによると、今後も弊サイトが一時的に閲覧出来無い状態になる恐れが多々ございます。
 その場合はわたくしのTwitterやFacebook、「部屋の屋根裏」(別ブログ)にてお知らせ致しますので、そちらをご参考戴けたら幸いです。
 
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 (官能小説を掲載している他サイト様も被害が続出しているようです)

 その為、今後はキーワード回避の為に『伏せ字』や『文字分け(例 スカ*トロ、ゴスローリ、等)』を多用した拙小説となる恐れもございます。
 創作物であるにも係わらず、そのような憂き目に遭う事に怒りを覚えると同時に、FC2の懐の狭さに閉口している次第です。

 とまれ。
 弊サイトは今後も運営を続けて行く所存です。
 お越し戴いた皆様には読みにくい部分が増えるかと思わますが、何卒ご容赦下さいませ。
 そして変わらぬご愛顧を賜りますよう、伏してお願い申し上げます。 m(_ _)m


                  「ライトHノベルの部屋」 管理人 エルム 2015.12.10. 
 

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